キラキラと輝くキャンディは、イラストの画面をパッと華やかにしてくれる魅力的なモチーフですよね。
しかし、「いつも同じモチーフを描いているかも?」「普段とは違う塗り方に挑戦してみたい!」と思うことはありませんか?
ひとくちにキャンディと言っても、種類や塗り方が違えば、質感やイラストの印象はガラリと変わります。
この記事では、イラストのバリエーションを増やしたい方に向けて、「アニメ塗り」「ブラシ塗り」「厚塗り」という3つの代表的な塗り方をMediBang Paletta(メディバンパレッタ)を使って解説します。
「包みキャンディ」「ロリポップ」「りんご飴」の3種類を描きながら、それぞれの質感の出し方を一緒に学んでいきましょう!
STEP1:パキッと鮮やか!アニメ塗りで描く「包みキャンディ」
メリハリのある光と影コントラストや、包み紙のくっきりとした折り目を表現するなら、色の境界線をキレイに分ける「アニメ塗り」で描くとポップに仕上がります。
立体感を出しつつ、ツルッとした固い質感や鮮やかさを強調したいときにおすすめの描き方です。
今回はくっきりとした色塗りができる「Gペン」を使って描いていきます!

「Gペン」は、ブラシカテゴリ「ペン・マーカー」に入っています。

ウィンドウ右上の虫眼鏡アイコンをタップして、ブラシ名で検索することもできるので、ぜひ活用してみてください!

【1】「Gペン」を選択したら、包みキャンディの線画を描いていきます。
このとき、しぼった箇所の細かいしわや、ざっくりとした折り目も描いておくと、あとの塗りがスムーズになります。

【2】ベースカラーを塗っていきます。
ベースカラー用に新規レイヤーを作成します。
作成したレイヤーを工程【1】で描いた線画レイヤーの下に移動し、「バケツツール」を選択します。
バケツアイコンを2回タップすると、設定パネルが表示されるので、【全てのレイヤーを参照】のスイッチをONにします。
このスイッチがOFFになっていると、線画レイヤーを参照せず、画面全体が塗りつぶされてしまうので注意!
塗りつぶしたい箇所をタップしたらベースの色塗り完了です。

【3】影の部分を描画します。
新規レイヤーを工程【2】で色を塗ったベースレイヤーの上に作成し、「クリッピング」します。
ベースカラーよりも彩度の高い濃い色を使って、「Gペン」で球体や包みを絞ったしわなどの影を描き込んでいきましょう!

【4】ハイライトを描き込んで、光を表現します。
新規レイヤーを工程【3】の影レイヤーの上に作成し、クリッピングします。
ベースカラーよりも彩度の低い、ほんのりと黄色いクリーム色で光の当たる部分を塗っていきましょう。
線画でラインを引いていない箇所も、包み紙の重なりや折り目を意識して色を置くと、さらに立体的に仕上がります。

【5】線画の色を、キャンディのカラーと馴染ませます。
新規レイヤーを線画レイヤーの上に作成し、クリッピングします。
このときの色は、塗りで使った一番暗い影色よりも、さらに暗くて濃い色を選ぶのがコツです。
黄色に馴染む深みのあるオレンジや茶色を使うことで、イラスト全体にまとまりが出ます。

【6】完成!
以上の手順で、鮮やかでポップな包みキャンディが完成しました!
参考に、レイヤー情報を見ていきましょう。
ベース・影・ハイライトというシンプルなレイヤー構成で、それぞれの境界線が際立ったメリハリのある印象に仕上がります。

STEP2:ふんわり透け感!ブラシ塗りで描く『ロリポップ』
光を優しく透過するようなやわらかいグラデーションは、境界線をぼかすように色を乗せていく「ブラシ塗り」によって表現できます。
滑らかな質感で、奥行きと透明感を見せたいときにおすすめの描き方です。
今回は「水彩」と「エアブラシ」を使って描いていきます!

【1】キャンバスに正円を描きます。図形ツールを使ってみましょう。
①装飾アイコンをタップ。
②一覧から「図形」を選択。
③モードタブで「楕円」にします。
④描画設定タブに切り替えたら「縦横比を固定」スイッチをONにしましょう。
⑤キャンバス上で斜めにドラッグし正円を描きます。
塗りつぶされた図形を描画するので、選択するブラシはどれでも構いません。
イラストでは、「水彩」を使っています。

【2】立体感を出すためにベースカラーよりも暗い色を使っていきます。
新規レイヤーを追加し、ベースレイヤーの上にクリッピングします。
「エアブラシ」を選択し、左上を中心に大きな陰影を描きます。

【3】キャンディの透明感と反射光を表現します。
新規レイヤーを作成し、工程【2】で作ったレイヤーの上にクリッピングします。
ベースよりも明るく彩度のやや低いカラーを取り、球体の下のフチに沿って「エアブラシ」でふんわりと描画します。
次に「水彩」ブラシを使い、少しパキッとした反射光を入れます。
ブラシを使い分けて、やわらかい透け感と、ツルッとした表面の質感を表現しましょう!

【4】メインとなるハイライトを入れて、ツヤ感を仕上げます。
最後に、キャンディの一番光が当たっている部分に真っ白なハイライトを描き込みます。
ここでも「水彩」ブラシを使いますが、場所によってブラシの【不透明度】を変えるのがポイントです。
左上のフチに沿った細い光はブラシ不透明度を低くし、馴染ませるように描きます。
中央のメインとなる強い光の粒は、不透明度を高くしてくっきりと乗せましょう。

【5】完成!
以上の手順で、なめらかでツヤのあるロリポップが完成しました!
参考に、レイヤー情報を見ていきましょう。
アニメ塗りと近いレイヤー構成ですが、使うブラシを変えると印象も大きく変わりますね!

STEP3:重厚感とリッチなツヤ!厚塗りで描く「りんご飴」
厚みのある飴のコーティングと、その内側にりんごの赤みが透けるリッチな立体感は、色を何度も重ねて馴染ませていく「厚塗り」によって表現できます。
重厚感を持たせつつ、まるで本物があるかのようなリアルで説得力のある質感を出したいときにおすすめの描き方です。

【1】ベースのカラーを選び、りんご飴のシルエットを作ります。。
①「水彩」ブラシを選択し、ベースとなるりんご飴の輪郭を描きます。
②「バケツ」ツールを使い、輪郭の中を塗りつぶしましょう。
③「エアブラシ」を使って、ベースよりも暗いカラーで大まかな陰影をつけておきます。

【2】色を重ねながら、立体感と光の下地を作ります。
新規レイヤーを追加し、ベースのレイヤーの上にクリッピングします。
ここでの大まかな手順は以下の通りです。
まずは「水彩(ソフト)」を使い、ベースの色と馴染ませるように、色相や濃さの異なるカラーで陰影を描き込んでいきます。
続いて「水彩」ブラシに持ち替え、光が当たる部分に明るい色を乗せましょう。
この後の工程で一番強い光(ハイライト)を描き込むので、ここではハイライトの下地を作るイメージで色を置いておくのがポイントです。

【詳細手順】
①一番暗い影で、重みと奥行きを出す
「水彩(ソフト)」ブラシを使い、一番深い影の色(暗い赤茶色)でりんご飴の下部や上部のくぼみを中心に色を置きます。
②・③
少し深い赤色と、ややピンク色の赤を使い、①の影から左上の光の当たる部分に繋がるようにグラデーションを作ります。
色を重ねていくことで、光によって見え方の異なるりんごの色味、表面の立体感を表すことができます。

④濃いピンク色で、りんごの皮の鮮やかな発色を足す
「水彩(ソフト)」ブラシで濃いピンク色を取り、、中央上部に丸みを意識して斜めに色を置きます。
⑤薄いピンク色で、ハイライトの下地を作る
「水彩」ブラシに持ち替え、薄いピンク色で丸く囲ったエリアに色を乗せ、やわらかい光の土台を作ります。
⑥複数の色を重ねて、全体の形と色調を整える
最後に、a〜dの異なる色を使って、全体のバランスを細かく調整していきます。
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a・b・c: 主に②・③で塗った部分を、さらに自然な陰影になるよう周りと馴染ませていきます。
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d: 下部の丸みに最も濃い色をピンポイントで足し、影をグッと引き締めます。
このように、彩度の異なる色を複数仕込むことで、実際の果実にある複雑な色味を表現することができます。

【3】「乗算」レイヤーを使って、陰影に深みを出します。
新規レイヤーを追加し、【2】のレイヤーの上にクリッピングします。
次に、レイヤーのブレンドモードを「乗算」に変更します。
「エアブラシ」を選択し、紫がかったグレーを使い、りんご飴の中央に陰影を重ねていきましょう。

【4】ツヤや気泡を描き込み、飴のディテールを表現します。
新規レイヤーを追加し、【3】のレイヤーの上にクリッピングします。
次に、レイヤーのブレンドモードを「加算(発光)」に変更しましょう。
「Gペン」を使い、りんご飴の丸い形に沿うようにツヤを足します。「消しゴム(ソフト)」を使ってツヤのラインをやわらかく消して馴染ませると、より自然な光の反射になります。
さらに、「しぶき(丸)ぼけブラシ」と「水滴Uブラシ」を使って、飴のコーティング内に閉じ込められた細かな気泡を表現しましょう。
最後に、描き終わったレイヤーの不透明度を40%程度まで下げて調節すれば、強い光がイラスト全体に自然に溶け込みます。

【5】「スクリーン」レイヤーで反射光を描き込みます。
新規レイヤーを追加し、【4】のレイヤーの上にクリッピングします。
次に、レイヤーのブレンドモードを「スクリーン」に変更しましょう。
「水彩」ブラシを選択し、薄い紫色を取って、りんご飴下部の輪郭と上部の丸みにふんわりと反射光(照り返し)を入れます。
大まかに光を置いた後は、消しゴムを使い形を整えましょう。
「スクリーン」モードを使うことで、下地の赤色と自然に混ざり合った明るい光を表現できます。
描き終わったら、レイヤーの不透明度を45%に下げて、光の強さを自然に馴染ませます。

【6】やわらかな光と、奥に透けるりんごの皮の模様を描き込みます。
新規レイヤーを追加し、まずは「水彩(ソフト)」ブラシを使って、りんご飴の左側のフチにやわらかな光をふんわりと足します。
次に、飴の奥に透けて見える「りんごの皮の模様(下部の緑色の部分)」を表現しましょう。ここは以下の手順でリアルに作り込んでいきます。
- 水彩:「水彩」ブラシで、模様のベースとなる形を描きます。
- 指先:「指先」を使って色を引っ張るように形を歪ませ、模様を作ります。
- ぼかし:「ぼかし」で輪郭を適度にぼかします。
- 着色:最後にレイヤーの「透明度を保護」します。上から緑色や青色系のカラーを塗り重ねて色味を整えましょう。

【7】「鉛筆」ブラシでメインのハイライトを描き込みます。
一番上に新規レイヤーを作成します。
「鉛筆(ざらざら)」ブラシを選択し、真っ白な色でハイライトを描画します。
形を取ったら、「ぼかし」を使って光の境界線を部分的にぼかしていきましょう。一部だけをふんわりとぼかすことで、強い光が当たってにじんでいるような、説得力のあるツヤを作り出すことができます。

【8】水滴を描き込み、光を強調して細部を仕上げます。
新規レイヤーを追加し、「水滴ブラシ」を使って飴の表面を這うような立体的な水滴を描画します。
さらに「Gペン」を選択し、工程【4】で描いた気泡やその他のツヤやハイライトに対して、真っ白なハイライトをピンポイントで足していきましょう。
やわらかい光だけでなく、Gペンでパキッとした鋭い光を置くことで、水滴の立体感と透明感がより一層強調されます。
描き込みが終わったら、最後にレイヤーの不透明度を50%に下げて、全体の明るさのバランスを整えます。

【9】完成!
以上の手順で、まるで本物のようにリッチな質感のりんご飴が完成しました!
参考に、レイヤー情報を見ていきましょう。
「乗算」や「加算(発光)」といった合成モードを使うだけでなく、不透明度を細かく調整して光や影の強さをコントロールすることで、厚塗りならではの重厚感や、飴でコーティングされた透明感がしっかりと表現されていますね!

いかがでしたか?
今回は、3種類のキャンディを通して「アニメ塗り」「ブラシ塗り」「厚塗り」の塗り方をご紹介しました。
パキッと境界線を分けた硬いツヤ、ふんわりとやわらかなグラデーション、そして筆のタッチや不透明度の調整で作り込むリアルな重厚感。自分が描きたい世界観や出したい質感に合わせて塗り方を使い分けることで、イラストの表現の幅はぐっと広がります。
ぜひ今回のメイキング手順を参考に、様々なブラシを試しながら、あなた好みの「美味しいキャンディ」を描いてみてくださいね!
まとめ:3つの塗りを使い分けて、表現の幅を広げよう!
- アニメ塗り: シンプルなレイヤー構成で境界線をくっきりと分け、ポップな色合いと包み紙の硬い折り目やツヤ感を表現する。
- ブラシ塗り: やわらかなグラデーションを活かし、キャンディ特有のなめらかで透き通るような質感を表現する。
- 厚塗り: 筆のタッチを残しながら合成モードや不透明度を細かくコントロールし、リッチな深みと飴のリアルな分厚さを演出する。
メディバンパレッタでは、今回登場したブラシ以外にも、1000種類を超える様々なブラシが用意されています。ブラシやツールの切り替え、レイヤーの設定も直感的な操作ですぐに使いこなすことができます。
広いキャンバスを活かして、ぜひ3つのキャンディを並べて描き比べながら、あなた好みの塗り方を見つけてみてくださいね!