背景つきのキャラクターイラスト、と聞くと、「背景」という言葉だけで身構えてしまうことってありませんか?
今回は、そんな苦手意識が少しでも解消されればいいなと思います!

背景と聞くと、「パース」という言葉が浮かびますよね。
一点透視や、二点透視など、遠近法の知識を使った背景を描く方法がありますが、今回はそういった知識ゼロでも描くことができる「大小遠近法」と「上下遠近法」、「消失遠近法」を使って、パースなどの知識を使用しない背景の描き方を紹介していきたいと思います!

完成イメージはこちら。

水面と、蓮の花をテーマにして描きました。
画像サイズは2530×4094px 350dpi
A4より少し幅が狭いサイズになります。

1.キャラクターを配置する

では、キャラクターにどんなポーズをさせるのか、のラフを決めていきます。
水面を描きたいので、片膝をついて、水面に触れているポーズにしてみました。

メインはキャラクターにしたいので、大きく配置します。
配置場所に困った場合は、構図法を使用してみましょう。
三分割法という構図があるので、今回はそれに従って、右目を赤いラインになるように配置しています。

 

2.背景のラフ

パースが分からなくても、背景を描く方法を紹介していきたいと思います。

大小遠近法とは、大きいものほど近いと感じる。

上下遠近法 水平線に近いものほど遠くに感じる。

消失遠近法 写真などによく使われる技法。
モチーフに焦点を合わせると、背景などの焦点が合わず、かすみ、ぼやけさせることで、モチーフを引き立てることができる。

この方法を使って、背景のラフを描いていきます。

水面・蓮・人物だけでは画面を構成することが少し難しいので、ピンタレストや、写真集などを見ながら、蓮池のイメージを具体的なものにしていきます。

描き込む際は、「どの距離に、何があるのか」を意識して描いていきます。

今回の絵を横から見ると、

手前に柳、水面に蓮と蓮の葉、人物、大きく育った蓮の葉
なので、レンズに近い柳はボケていて…などはラフの段階で決めていきます。

それぞれモチーフの配置順が分かれば、近いものは大きく、遠いものは小さく描くことを意識していきましょう。

空間を意識して、パーツの大きさを変えていきます。
手前の蓮は大きく、奥に行く毎に小さくなっていくように配置していきます。

 

3.影のイメージを決める

大きい蓮の葉の影が人物にかかるといいな、と思ったので、右上を光源にすることにしました。

影のラフが決まりました。

 

4.カラーラフ

影を決めたら、色を決めていきます。

蓮の葉と蓮の色を鮮やかに見えるようにしたいので、キャラクターは落ち着いた色合いにしています。

ピンクと緑というパッと目を引く色があるので、これ以上大きな範囲に色味を増やしてしまうとごちゃごちゃしてしまうかな、と思ったので、キャラクターは色味を抑えた配色にしています。
アクセントとして、ジャケットのベルト部分をオレンジにしています。

資料を見ていくうちに、蓮を育てる為には水の深さが10センチ以上は必要と知り、水面を足首に設定ししました。

影の場所はラフで決めてあるので、ラフにそって影を塗っていきます。
影色の選び方についてはこちらの記事↓
影の色ってどう選ぶの?分からない人のための影色の選び方

ラフは清書をする際に資料ウィンドウに表示させる用に、一度書き出しをしておきます。

 

5.清書

ラフが決まったので、線画のラフ→線画の順で線画を描いていきます。

↓線画ラフ

↓線画

線画ができたので、パーツ分けをして、着色をしていきます。
パーツ分けの方法を紹介している記事はこちら↓
【初心者向け】下塗りって何をすればいいの?【配色アドバイス】

パーツ分けが終わりました

パーツ分けが終わったら、先ほど書き出ししておいたラフを、資料ウィンドウに表示させて、それを見ながら影をひたすら塗っていきます。

 

6.ぼかし処理

キャラクターに焦点をあてたいので、キャラクター以外の柳の葉と、手前の蓮にぼかし処理をしていきます。
柳の葉のレイヤーを選択して、「ガウスぼかし」を選択します。

ぼかしがかかりました。

次に、蓮にぼかしをかけていきます。
蓮のレイヤーは、このようになっていて、水面とレイヤーを分けて描いています。

手前の蓮はぼかしがかかっていて、奥はぼかしがかかっていないようにしたいので、今回は2枚のレイヤーを使って表現していきます。

蓮のレイヤーを複製します。

複製2枚のうち、1枚にガウスぼかしをかけます。
レイヤーの順番は以下のようにします。

ぼかしをかけていないレイヤーを選択し、マスクレイヤーを新規で作成します。

マスクが作成されました。

カラーサークルの中から黒色を選択し、マスクレイヤーが選択されているのを確認したら、ペンで消していきます。

くっきりとぼけている箇所と、ぼけていない箇所が分かれてしまっているので、エアブラシをつかって境目をぼかしていきます。

マスクレイヤーは消したい部分がこのように黒く塗られていればOKです。

マスクレイヤーの使い方が分からない人はこちらの記事を見てみてくださいね↓
【PC】 マスクレイヤー

塗り残しがないかよく確認したら完成です。

 

7.まとめ

今回は、「消失遠近法」をメインに使って背景ありのイラストを制作してみました。
ぜひあなたも想像力を膨らませて、背景つきのイラストに挑戦してみてくださいね!

(文・絵/鉢野みど)
Twitter / https://twitter.com/hachino_mido
Pixiv / https://www.pixiv.net/users/20266737