2023.04.26
「好き」で生きていく|イラストレーター向けのセルフプロデュースについて【前編】
皆さんこんにちは。イラストレーター・作家の星灯れぬです。
私は現在フリーランスのイラストレーター兼同人作家としてSNSを中心に活動しており、Medibang様の講座記事を始め、MVイラストやVtuberのモデル制作、書籍の装画等のお仕事をさせて頂く傍ら、自身で単行本や画集を販売しています。
皆さんはフリーのイラストレーターの活動において、重要なのはどんな事だと思いますか?
「画力」「知名度」「発信力」「発想力」「人脈」…
その中でも「セルフプロデュース」について考えた事はありますでしょうか。
「セルフプロデュース」とは、自分で自分自身や作品を売り込んでいく事。
個人で活動するイラストレーター、動画クリエイター、小説家、作曲家など、創作活動をする全ての方にとって仕事や実績を得る為に必要な戦略でもあります。
「戦略」と聞くと難しいと感じてしまう方も多いかもしれませんが、実はそこまで複雑に考える必要はないのです。
ということで今回は、
・イラストレーター向けのセルフプロデュースについて
・SNSを活用したイラストレーター向けのセルフプロデュース術
を私の経験談を交えながら、全2回でご紹介していきたいと思います。
前編では主に「セルフプロデュースの前準備」に焦点を当ててお話していきます。
これからフリーランスのイラストレーターとして活動してみたいと思っている方や、既に活動を始めているけれど思うようにいかないという方は、是非こちらの記事をヒントにしてみて下さい。
Index
そもそも「セルフプロデュース」はなぜ必要?
駆け出しのイラストレーターにとって最初の課題は「自分を知ってもらう事」。
当たり前に聞こえますが、人は知らないものに対して興味は湧いてきません。
興味のない人の作品を見ようと思ったり、わざわざ仕事を頼みにいこうとは思わないですよね。
誰にも知られていない状態では、いくらあなたの絵に魅力があっても、イラストレーターとして花を咲かすことはできません。
「あなたの絵が好きだ!」「あなたに仕事を頼みたい」と言ってもらえるようになるためには、まず自分自身や作品を知ってもらい、興味をもってもらうことが必要となります。
● どのようにして自分を知ってもらうか。
● どんな人たちに興味を持ってもらいたいのか。
セルフプロデュースはこのような戦略を考え、実践していくことなのです。
セルフプロデュースの準備
自分を知る
他人に興味を持ってもらうには、まず自分が自分を知る必要があります。
セルフプロデュースで出来るだけ迷子にならないためには、
● 自分は何が好きか (武器はなに?)
● どんな絵を描きたいか (どんなスタイル?)
● その絵でどうしたいか (どんな効果がある?)
● どんな仕事をしたいか (ゴールはどこ?)
● どんな人に向けて発信したいか (ターゲットは誰?)
これらを自分の中で明確にしておくと、道筋を立てやすくなります。
特に「自分の好きなもの」には素直になって、よく理解しておくと良いでしょう。
理由は、これがハッキリしていれば自ずと他の4つの答えも見えてくるからです。
例えば、筆者は幼い頃から「星」や「ファンタジー」「物語を作る事」が大好きでした。
イラストレーターとしてちゃんと活動を始めようと思った時、自分は星やファンタジーをモチーフに絵やお話を描いて、そういった物が好きな人達に楽しんでもらえるオリジナルコンテンツ(一次創作)を届けたいと考えていました。そして、いずれは星やファンタジーを題材にした物語の書籍やMV等を飾るお仕事が出来ればと思っていました。
このように自己分析しておくことで「自分はこういう事がしたいんだな」「こういう作品を作っていけばいいんだな」という事が分かってきます。
筆者の場合は一次創作での活動を前提として考えていましたが、二次創作が好きでそれを仕事に繋げたいという方も同じようにこの5項目を埋めてみて下さい。
決められない時
ですが人によっては「何が好きかよくわからない」「好きなものが多すぎる」という方もいると思います。好きなものがイマイチ定まらない時は「どんな仕事をしたいか」または「自分は何が得意か」にフォーカスすると良いでしょう。
例えば、ゲームのキャラクターデザインの仕事をしたいならキャラクターデザインの絵を描いて公開していったり、風景を描くのが得意なのであれば風景作画の仕事を目指してみるなど、選択肢が生まれます。
自分は「○○の人」
これは「自分の好きなものを理解する」という話の延長線になります。
皆さんの好きなイラストレーターを思い浮かべて見てください。そして、その人を「○○の人」という言葉で簡潔に表してみてください。
たとえば「アニメ塗りの人」「風景イラストの人」「美少女絵の人」「人外イラストの人」…
あるいは、特定の版権作品やキャラクターで表せる場合もあるでしょう。
それがそのイラストレーターの「個性」であり
同時に、他人に認知してもらう為の「武器」でもあるのです。
前項で述べたように、私は「星」やそれに関連するものが大好きです。
自分の好きなものを数年間描き続けた結果、作品を見てくださった方からは「れぬさんと言えば星の人!」と認知され、今ではたくさんの方に覚えてもらえるようになりました。
これは自分で「私は○○の人です!」とアピールしても同じ効果があります。
また、こういった印象的な肩書きがつくことで「この人をフォローすれば綺麗な星空の絵や星モチーフのキャラクター達が見られるんだ!」と興味を持ってもらう事が出来るのです。
自分は何の人になりたいか、活動を始める前に一度考えてみるといいかもしれません。
器用になる必要はない
イラストレーターを目指している方に見受けられる特徴として「イラストレーターは何でも描けた方が有利」と思う方が少なからずいます。
確かに老若男女どんな背景をどんな絵柄でも描けてしまう方がいればそれは素晴らしい事ですし、得られる仕事の幅も広がるかもしれません。ですが無理に「何でも描ける人」になる必要はありません。
大事なのは闇雲に画力を伸ばしたり全てを100%にするのではなく、今既に80%くらいで描けるものを2000%に引き上げていくことです。
それはあなたの「個性」であり「武器」だから。
どのような仕事をしていくかにもよりますが、あえて苦手な物や嫌いなジャンルを克服するよりも、今あなたが好きな物・得意なものをどんどん磨いてより魅力的なものを作る方が、あなたの個性に惹かれる人がどんどん集まってくるはずです。描くのが苦手だと感じていたものは、好きを磨くその道中で克服できたりもしますよ。
「好き」で生きていく|イラストレーター向けのセルフプロデュースについて【前編】
は以上となります。
ぜひ一度セルフプロデュースのために自分を見つめ直してみてくださいね。
後編では、実際にSNSでどういったセルフプロデュースをしていくのか具体例をご紹介をしていきます。
著・絵:星灯れぬ
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twitter: https://twitter.com/Caphricina02
https://lenulenushi.wixsite.com/fesria
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作品はこちら: https://medibang.com/u/Caphricina/
インタビューはこちら: https://medibang.com/page/interview/Lenu/
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