2020.06.10
木の描き方②ー幹から仕上げまでー
街路樹や森など、木は背景の中でも登場することが多いアイテムです。
ここでは、そんな木の描き方についてご紹介します。
「木の描き方①」では下地・葉の部分の描き方をご紹介しましたので、今回は幹・仕上げの描き方について見ていきましょう。
※下地から葉の部分の描き方が知りたい方は「木の描き方①」を、机や椅子などの「木目」の描き方を探している方は「木目の描き方」を参考にしてみて下さいね。
Index
1.下地の形を整える
前回の「木の描き方①」では、ざっくりと下地を描いていきました。
そのため、まずは全体のバランスを見ながら下地の形を整えていきましょう。
木は、根の方から枝先に近づくほど細くなります。
枝先の方が太いとバランスが悪くなってしまうので、枝が太くなっている場合はここで調整しておきます。
2.幹の陰影を描く
下地を整えることができたら、今度は幹の陰影を描いていきましょう。
幹の陰影を描くときに注意したいのは、幹の形です。
幹は円柱形なので、平面ではなく丸さを意識して塗っていきます。
【円柱の陰影】
円柱形の影は、光源の位置によって上の絵のように3つのパターンに分けることができます。
木の幹をしっかり描き込みたいときは、こういった影のつけ方も頭に入れておくと便利です。
※上の絵では、わかりやすいよう大袈裟にデフォルメして影を描いています。
そのため、実際にイラストとして描くときはエアブラシなどで繋がりの部分をぼかしたり、明度をうまく調整する必要があります。
今回の場合、光源を左上にしているので、参考にするのは一番左のタイプです。
ここでは、以下のように三番目・四番目に暗い部分をひとまとめにして、少し簡単に塗っていきたいと思います。
・最も暗い部分:先ほど塗ったベースの影の部分
・三番目に暗い部分+四番目に暗い部分:少し明るい部分
・二番目に暗い部分:一番右端の反射光
・一番明るい部分:一番左の光が当たっているところ
イメージとしては、左側が一番明るく、右側に向かうほど暗くなるよう色を塗り、一番右側に反射光を入れるイメージです。
では、順番に手順を見ていきましょう。
①最も暗い部分を塗る
まずはじめに、影の最も暗い部分を塗っていきます。
幹の色というと、明るい茶色を選びたくなるのですが、実際の木はグレーに近い色味です。
そのため、ここではグレーに近い色味を選んで塗っていきます。
下地の上に新しいレイヤーを作りクリッピングしておくと、下地からはみ出さないのできれいに塗りやすくなります。
②三番目に暗い部分を描く
「最も暗い部分」を塗ることができたら、今度は「三番目に暗い部分(上の絵では、三番目・四番目に暗い部分)」を塗ります。
木の表面の凹凸を表現すると、より立体感を出しやすくなるため、「三番目に暗い部分」は縦のラインを意識しながら描いていきましょう。
ここでは、アクリルブラシを使い、先ほどよりも少し明るい色を選んで描いています。
明るい部分が凸の部分です。
次に、凸の影の部分が①の部分より少し明るくなるよう色をのせていきます。
今回は、一番上に新しいレイヤーを作り、同じ色をベタ塗りして透明度を調整することで、少し色を馴染ませました。
③一番明るい色を描く
次は、一番明るい色を左側に入れていきましょう。
ここでは、一番上に新しいレイヤーを作り、エアブラシで白を塗ってから透明度を少し下げています。
左側に枝がある部分には影ができるので、白を塗れたら枝の横の部分をエアブラシの「透明色」で少し削ります。
【透明色の選び方】
ペンツール>好きなブラシを選択>カラーチャートの上にある「格子柄の四角」をクリック
※②で描いた「三番目に暗い部分」の幅が少し広かったため、このタイミングで少し削って調整しています。
これで、木の影を描くことができました。
④反射光を入れる
ここまでに描いた陰影だけでも良いのですが、より立体的に見せたい場合は、「反射光」をプラスするのがおすすめです。
反射光は、地面などに当たり跳ね返ってきた光なので、幹の右側に加え、枝の下側にも少し入れていくといいでしょう。
今回は、まず新しいレイヤーを作ってクリッピングし、エアブラシで反射光を描いた後、透明度を調整しています。
⑤木漏れ日を描く
反射光を入れたら、最後に木漏れ日の光をプラスしていきます。
まず新しいレイヤーを一番上に作り、一番明るい部分と同じ要領で、葉の間からさす光を幹の部分に入れていきましょう。
このとき、同時に幹の凹凸の高くなっている部分に、少し光を足して調整しています。
3.全体のバランスを見て調整する
最後に、足りない部分に枝を足したり、葉の明るい部分をプラスするなど、全体のバランスを見て調整します。
調整できたら、これで完成です。
4.まとめ
普段見慣れている木は、つい想像で描いてしまいがちです。
しかし、そうすると思い込みで形を描いてしまったり、細部がよくわからなかったりとつまづきやすくなってしまいます。
実物を見て色や形を観察するとよりそれらしく描くことができるので、木を描くときは参考にする写真を用意しておくことがおすすめです。
木が描けると背景やイラストの幅が広がるので、ぜひチャレンジしてみて下さいね。
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