2023.08.09
【コラム】かなり大事!イラストを仕事にしたい人のためのSNS運用術!
今や生活に欠かせないSNS。
日々思ったことや写真を載せるだけでなく、ニュースや今流行のものなどほとんどの情報をSNSから取っているという人も多いのではないでしょうか?
もちろんイラストや漫画など、何かを創作している人にとってもSNSは一番重要な宣伝の場です。
今日は特にイラストレーターや漫画家など、絵を描くことを「仕事にしたい、お金を得たい」人に向けて、 SNSをどう使って自分を宣伝していくか、ビジネス視点で運用するポイントを紹介していきます。
Index
SNSアカウントはマストアイテム!
これから絵を仕事にしたい人にとって、SNS運用は必須です!
「画力のアップや作品作りに集中したい…」「正直こまめなSNS運用は苦手」という方、気持ちはよ〜く分かります。(私もそうです)
趣味で絵を描いている分には良いのですが、仕事にしたい場合は話が変わってきます。
会社と違って、自分で自分の作品を宣伝・プロデュースしないといけません。
どれだけ絵が上手くても、それが他人の目に止まらないと意味がありません。
また、SNS経由で仕事の依頼が来ることもあります。
面倒かもしれませんが、仕事の一貫と思ってSNS運用に取り組みましょう。
SNSに何を投稿すればいいの?
まず第一に「作品」です!!
とにかく作品を描いてアップしましょう!
投稿の頻度は高い方が良いですが、線だけの落書きばかりを量産してもあまり意味がないので、ある程度のクオリティは担保しつつ無理のない範囲で投稿しましょう。
ファンアートや二次創作でも良いのですが、仕事用として運用する場合は、できればオリジナルの作品の比率を高くすると良いです。
投稿する絵の分野の統一感も重要です。
例えば動物の絵が得意で、動物のイラスト案件でお仕事をもらいたいとします。
この場合、「動物の絵」に絞って集中的に投稿するのをおすすめします。
ここに人物の絵やファンアートなどを雑多に織り交ぜてしまうと、得意な分野の印象が薄まってしまいます。
なんでもそれなりに描ける人よりも、「動物が最強に得意です!」というピンポイントな需要にアピールする方が、「動物の絵を描ける人を探している」依頼者の目にスムーズに留まりやすいです。
野菜のプロなら八百屋さん、お肉のプロならお肉屋さん、と同じですね。
自分の描きたい分野の絵や得意なテーマに絞って投稿していくと、「◯◯の絵ならこの人!」というイメージがだんだんと付いてきます。
すると、得意分野の依頼が集まり実績を積むことができます。その実績をSNSで紹介することで、さらに「◯◯の絵の人」というイメージが強く固まってきます。長期戦略としてとても有効です。
・スーツ男子ならまかせろ
・ギャルの絵ばっかり描いてます
・魚の絵なら負けません
など、どんな細かい分野でも良いのです!
まだ自分は何が得意なのか、好きなのか定まっていない…という人は、ひとつ「これを描いている時が楽しい!」という対象を見つけることからはじめると良いかもしれません。
作品の投稿以外でもSNSを活用しましょう。
「ただいま新規のご依頼は5月下旬着手となります」「本日は線画作業です!」など、仕事の受付状況や今日やることなどをつぶやくことで、「この人はちゃんと稼働しているんだな」という信頼感につながります。
※ただし、仕事をいただいたお客様の情報や、守秘義務に違反するようなことをつぶやくのは絶対にだめです。
実績の公開がNGの案件も多々あります!仕事の進捗をつぶやく時は「今日は色塗ります!」程度にとどめ、何の案件か特定されないように書くようにしましょう。
また、どのSNSでもDM(ダイレクトメッセージ)は必ず全体に解放しておきましょう!
DMからお仕事の相談や依頼が来ることもあります。
使うSNSの種類は?
たくさんのSNSがある現在、どれを使ったらいいか迷ってしまいますが、現時点ではとりあえずTwitter、Instagram、TikTokあたりかなと思います。
中でもTwitterは、出版者の方や漫画編集者の方など絵に関わる仕事の人達がビジネス用として使っていることも多いので、まずはTwitterからかなと思います。
Instagramは画像の比率やサイズに制限があるので、本格的な漫画投稿にはあまり向かないかもしれません。
あるひとつのSNSで作品を投稿し、リプ欄に「続きはこちら!」「別の作品はこちら!」と他のSNSやイラスト投稿サイトに誘導したり、プロフィール欄にリンクを貼って誘導する使い方もおすすめです。
複数のサイトを回遊してもらうことで自分の絵をより長い時間見てもらえるため、印象に残りやすいです。
SNS運用上でのあるあるお悩み一問一答!
仕事用アカウントを運用する上で抱えがちなお悩みについてまとめてみます。
運用方法の正解は1つではなく、あくまで私個人の所感なので、参考程度にしていただければと思います。
①日常アカウントと分けた方がいいの?
私個人の意見としては、日常生活を呟くアカウントと仕事で絵をPRするアカウントは分けた方が良いと思います。
・メディア欄が見づらくなる
・ビジネス的信頼感が生まれにくい
このあたりが大きな理由です。
あなたの絵を見て「依頼してみたい!」と思った人がいるとします。
そこで、過去の絵も確認しようと思いメディア欄を開いてみたら、旅行や食べ物の写真、推し活の写真、ゲームのスクショなど日常生活で撮った画像とイラストがごちゃごちゃに混在。これでは相手側に作品を探す手間が発生してしまいます。これだけで結構な負担になる上に、「素人感」が出てしまいます。
さらに、作品を描くには時間がかかるため、完成までの間はどうしても日常のつぶやきの比率が高くなりますよね、すると、どんどん日常アカウント的な雰囲気が濃くなり、「この人にお仕事として依頼しても大丈夫なのかな…」と相手に思わせてしまいます。
もちろん親近感も大事ですし、有名な絵師さんの中には日常のつぶやきが大半な人もいます。
しかし、これはもうすでに有名になった人だからこそできることで、駆け出しのうちはなにより作品をアピールすることが重要です。仕事用として運用する以上、「ビジネス的な雰囲気」は絶対に必要です。
なので、個人的にはアカウントは分けるべきかなと思います。
②つぶやきの内容で気をつけることは?
基本的に自由でいいと思いますが、
・政治、宗教、センシティブな時事ネタなどには触れない
・他人や同業者を下げるような発言をしない
私はこれだけは気をつけています。
特に政治や宗教、他人の炎上、世間で意見が割れている事象など、人それぞれ考え方や感じ方が違い、論争になりやすい分野については仕事用アカウントでは触れない方が無難です。
③弱気な投稿ってダメですか?
絶対だめとは言いませんが、ネガティブな発言は仕事用のアカウントでは控えた方が良いです。
例えば、ケーキ屋さんが2件並んでいるとします。味や値段は互角です。
片方は「あまり自信がないです…」「美味しいかどうかわかりません」「うまく焼けたかなあ」という姿勢。
もう片方は「頑張って作りました!ぜひ買ってね!」という姿勢です。
どちらのケーキ屋さんに行きたいですか?
絵の仕事も同じです。なぜか絵になると「相変わらずの低クオリティ(笑)」「下手ですみません」などと必要以上に謙遜した表現を使う人が多いのですが、自分の商品の価値を下げる表現は、何も良いことがありません。
また、「初心者です」という表現も、仕事を得ようとするアカウントではマイナスのイメージになります。
仕事の実績がまだない・少ないからといって弱気になる必要は全くありません。むしろ虚勢だとしても「自分そこそこ絵でお仕事もらってます!」ぐらいに堂々としている方が依頼者側も安心します。
仕事上の一種の演出と割り切って、ネガティブなツイートは制御していきましょう。
弱音や愚痴などは別の日常アカウントで吐き出すのが吉です。
④タグをつける時に気をつけることは?
タグは自分の絵を多くの人に見てもらうための有効な手段です。
ですが、仕事用アカウントの場合、使うタグをきちんと選ばないと仕事につながりません。
例えば、
・いいねくれた人みんなお迎えする
・絵師さんとつながりたい
・イラスト練習中
など、個人間での交流を目的としたタグは使ってもあまり意味がありません。
フォロワーは増えるかもしれませんが、ここで増えたフォロワーはあくまで「絵師友達」であり、仕事を発注してくれる人ではありません。
仕事につなげたいのなら、【仕事を発注してくれる人】の目に止まらなければなりません。
・漫画が読めるハッシュタグ
・イラスト
・◯◯ファンアート
など、広く作品をアピールできるようなタグを選んでつけると良いです。
また、自分だけのタグを作ってしまうのも有効です。
例えば、名前が「なおこ」だとしたら、「#なおこの画集」など。自分専用のタグを作って、描いた絵すべてにそれを付けます。すると、見る側の人はタグから簡単に過去の絵を遡ることができます。
漫画の場合は作品タイトルをそのままタグ化して付けるのもおすすめです。長編の投稿でもタグでまとめることで読みやすくなります。
⑤フォロワーが増えてもSNS経由で仕事がきません…
頑張って運用してフォロワーは増えたけど、SNS経由での仕事の依頼が来ない…とお悩みの方。駆け出しで無名の頃は、そもそもSNSのDMから直接仕事が来る割合はそんなに高くありません。
SUKIMAやクラウドワークスなど、外部サイトや別の媒体から仕事を得るパターンの方が多いので、SNSはあくまで宣伝と割り切ってしまっても良いと思います。
SNSのプロフィール欄に外部サイトの自分のアカウントのリンクを貼ったり、絵がバズったらそのリプ欄に問い合わせ先を載せたり…
SNSだけで仕事を得ようとするのではなく、他の媒体と上手く組み合わせて運用しましょう。
また、攻めの動きとして、SNS上で漫画の編集者や広告漫画の仲介業の人、絵に関わる仕事の人、イラストを求めていそうな駆け出しのVTuberなど、【絵を発注する側の職業の人】のアカウントを積極的にフォローするのも有効です。フォローされた側は「どんな人だろう?」と思って自分の作品を見てくれるかもしれません。
さらに攻めるなら、勇気が入りますが、そういった担当者に直接DMなどで作品の売り込みをするのも手です(売り込み歓迎・売り込みNGと明確に記載している編集者の方もいるので、連絡する前に必ず確認しましょう)
今回は仕事用SNSアカウントを運用する上でのポイントを紹介しました。
SNSの最大の魅力は世界中の人と簡単に繋がれて、作品を発表できることです!上手く運用して絵の仕事に生かしていきましょう!
絵・文/はらなおこ
Twitter:@nao_comic
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