2023.12.22
【潜入】クリエイティブ系専門学校の実態!〜日本デザイナー学院に行ってきた〜
こんにちは!
イラストレーターのあかねるです
イラストやデザイン、マンガを学びたいと思った時、
みなさんは何を想像しますか?
大学か専門学校に進学!
と考える方が多いと思います。
でも、大学や専門学校ってどうやって選んだら良いの?
そもそも大学と専門学校の違いって何?
今回はなんと芸術系専門学校日本デザイナー学院さん(以下NDS)に声をかけていただき、学校見学と先生&学生さんにインタビューすることができました!
というわけで芸大出身のあかねるが、NDSの特色や大学と専門学校の違い、授業の様子、教室やそのほかの館内の設備、そして卒業後の進路先や内定率に至るまで、見てきたこと、お聞きしてきたことをたっぷりとご紹介したいと思います!
中の人4号
MediBangイラストレーター&企画担当。
専門学校卒。あかねるの先輩。
初取材を見守ってくれました。
NDS(NIPPON DESIGNERS SCHOOL)とは
東京・渋谷、福岡・博多、マレーシアに拠点を置く芸術系の専門学校。東京校では、総合デザイン科(グラフィックデザイン専攻、ビジュアルデザイン専攻)、総合イラストレーション科、グラフィックデザイン科、イラストレーション科、インテリアデザイン科、マンガ科(総合マンガ創作専攻、コミックイラスト専攻)、夜間部グラフィックデザイン科、夜間部イラストレーション科の8つの学科で構成されており、それぞれの業界に沿って基礎から学ぶことができます。
詳しくは学校ホームページへ!( https://ndg.ac.jp/ )
いざNDS東京校へ!
こちらが東京校です!
9階建てで、姉妹校の日本写真芸術専門学校(以下NPI)とNDSの併設になっています。
サブカルチャーの街・渋谷に構えているだけあって綺麗でオシャレ。
ガラス張りで見晴らしもよさそう。
聞くところによるとその立地を活かして校外学習も頻繁に実施しているそうで、展覧会やミュージアムなど高校の頃にはなかなか足を運べなかった場所に学生さんを連れて行き、刺激を受けてもらっているんだとか。
都会いいな〜!羨ましい!
というわけで、まずはご案内いただいた中で特に印象に残った館内の施設をいくつかご紹介したいと思います!
①ウォールギャラリー
館内のいたるところにギャラリーが!
イラストレーターさんやデザイナーさん、写真家さんの作品を
大きなサイズで鑑賞することができます。
また、在校生の作品ゾーンもあり、そこには各学年から選ばれた優秀作品が展示してあります。
プロの作品やライバルの作品に常に触れられる環境で刺激を受けながら自分の制作に取り組むことができます。
学校の廊下なのにまるで展覧会会場で素敵。
②テラス
日当たりと風通しの良いテラス!
まるでカフェのような空間で、学生さんはここでランチをしたり課題をしたりしているそうです。
見学させていただいた日は11月にも関わらず気温20度超えの異常気象日だったので、テラスの風が本当に気持ちよかったです。
煮詰まった時とか風浴びて気分転換したいよね。
③学生ホール
いわゆるラウンジのようなところ。
本がたくさん置いてあって、学生さんへの貸出も行っております。
本の種類は小説や資料集、技術書、漫画や写真集など多岐に渡り、制作の参考になりそうなものばかり!
あかねるも4号先輩も気になる本があるたびに足を止めてしまって、なかなか先に進めなかったよ(笑)
授業と教室を見学
なんと授業の様子を見せていただくこともできました。
大学とは違い小さめの教室で、学生さんも少人数。
先生と学生さんとの距離が近く、質問などもしやすそうな雰囲気ですね。
授業内容もアナログ〜デジタルと、カリキュラムに沿って色々と学ぶことができるようです。
教室にはそれぞれ著名人から借りた名前が付けられていて、例えばマンガ科の学生さんが主に使用する教室は…
Tezuka!
手塚治虫先生ですね。
遊び心があってとっても可愛いです。
『次の教室どこだっけ?』『テヅカ!』みたいなやり取りがあるんだろうなあと思ったら、さらに可愛いね…!
実技科目の授業をいくつか見学させていただいたのですが、こちらの「03.Tezuka」 の教室に設置されている机をご覧ください。
トレース台、ライト、コンセントが完備され、天板の角度も調整可能!
こちらが約30台設置されています。
マンガを描くためだけの机…!これが家にあったらな〜!
マンガ描きとして非常に興奮する設備でテンションが上りまくりでした!
設備と機材
設備に加え、機材も充実しています。
MacBook、液タブ(モバイルスタジオ)、板タブがそれぞれ約30台ずつ。
学生さんはそれぞれ自分のPCとタブレットを持っていますが、万が一故障した際には貸出してくれるそうです。
一眼レフ(Canon、Nikon)の貸出も行っています。
NPIとの併設による強みですね。
大型印刷機も完備されていて、外部に発注するよりも安く作品を大判印刷することが可能です。
印刷が必要な課題の際にはかなり助かると思います。
このように、設備や機材に惜しみなく投資している印象を受けました。
わたしの学科は液タブ1台とかしかなかったな…すご…
学生さんと先生にインタビュー
今回はあかねるが芸大マンガ学科卒ということで、コミックイラスト専攻のだんごさん、総合マンガ創作専攻の高木くん、そしておふたりをご担当されているマンガ科のO先生にお話を伺いました!
まずは学生さんのご紹介です。
【だんごさん】
マンガ科コミックイラスト専攻2年生
【高木くん】
マンガ科総合マンガ創作専攻2年生
うっま〜〜〜!すでにプロじゃん…!?
というわけで、インタビュー内容を対談形式でお送りします!
日本デザイナー学院を選んだ理由
本日はよろしくお願いします!まずはだんごさんと高木くんが日本デザイナー学院に進学を決めた理由を教えてもらってもいいですか?
ほかの学校より1コマの時間が長く(140分)、まとまった時間で制作する自分に合っているなと思ったからです。
色々な専門学校を見学しましたが、親身になって話を聞いてくれたのがこの学校だけだったからです。
カリキュラムの組み方は?
わたしは4年制大学だったので、4年のあいだで必修科目やそのほかの科目を好きに履修登録して、卒業までに単位数が足りてればOKというようなシステムでした。たとえば◯曜日は休みにしようとか自分の塩梅で決められたわけですが、2年で卒業の専門学校はどういったカリキュラムの組み方になるんでしょうか?
そもそも履修登録というものがなくて、学校側から事前に決まったカリキュラムが送られてきます。
え〜!そうなんですね!
そのカリキュラムに沿って授業の日や休みの日が決まるので、自分では決められません。
必要な授業数も決まっていて、1年生から2年生で内容もグレードアップしていきます。科目ごとにその道のエキスパートがそれぞれ指導していて、イメージとしては本当に高校のような感じですね。
今まさに高校みたいだな〜と思っていました。
大学で4年でやることを2年に凝縮してやるので大変ですね。
課題の量は?
課題の量はどうでしょうか?2年でやりきるとなると…
課題は相当多いですね。特に自分はかなり出してるほうだと思います。多いよね?
多いですね。月に2個とか…今月はかなり危ないです(笑)
毎回結構ギリギリになっちゃう感じですね。
危ない中お時間いただきありがとうございます…!
将来【絵で食べていく】ことを前提に考えると、学校の中で上手い下手とかじゃなく、外で結果を出して初めて本人のためになると思っています。ただ課題を出しているというよりは、そのあたりを考えて厳しめに出しています。マンガは特に外で賞を取らないと次に進めないですしね。
授業はどんな感じ?
授業の内容はどのような感じですか?
今コミックイラスト専攻でO先生から出されている課題は、そのままコンペに提出する用として制作しています。
なるほど!授業内容自体が『コンペに出すイラストの制作』なんですね。
そうです。コンペに間に合うように授業内で締切を設定して、出来たら送る、出来たら送る、の繰り返しです。
学生は最初コンペの送り方なんて知らないと思うので、イチから自分で出来るよう教えて、個人で送ってもらっています。いつまでも見てあげられない、いずれは卒業してしまうのでひとりでやっていけるようになってもらわないと困る。基本は自分でやってもらうスタンスです。その点では結構放任かもしれません(笑)
いや、でも社会でやっていくにはかなり必要なことだと思います!わたしが専門学校でやっておけばよかったって後悔したことをしっかりサポートなさっていて、素晴らしいです…!
本当に、イラストレーターだからって絵だけ描ければいいというわけにはいかないですもんね。
学生のあいだにできるだけミスをして、リカバリーの方法を学んでほしいと思っています。そうしたら社会に出た時に即戦力になれるんですよね。
教育の手が少なくて済むというのは本当に助かります。
コンペは自分の実力で取らないと意味がないので、あんまり『あれやれ、これやれ』も言わないです。口出ししすぎると自分のコピーを作っている感じになっちゃうので。
個性を大事にされているんですね。
はい、なのでこのふたりは本当によく付いてきてくれていると思います。上手ですよ、ふたりとも。
へ〜!見たい…!
※この時点ではまだ見させていただいてなかった
もうね、学生の方が上手いですよ、講師より。色々なことを本当にたくさん知っているので、結構学生に聞くよね?
そうですね、聞いてくださいます。
お互い知らないことは教え合って、学び合いという感じですね。
学生の方が情報がはやいので、本当に学生のことを尊敬しています。教える立場ではありますが、実際は学んでいることのほうが多いかもしれないです。
やっぱりデジタルネイティブの子たちは全然違いますよね。先生と学生さんでお互い学び合えるなんて素敵な環境です。
ちなみに授業内で応募しているコンペは学生さんがご自分で探されているんですか?それとも先生の方から提示されているんですか?
あ、それは僕の方で探して出しています。
いくつかピックアップしてもらって、その中から描きたいテーマをふたつ選んで出す、という感じです。
自分の作風に合うと思うところに応募すべきだと思っているので、候補は出しますが、あとは自分で好きなものを選んでもらっていますね。
この間はわたしのほうでひとつコンペを紹介させていただきました。
そうそう、良いコンペを知っていたので、教えてもらって即採用しました。
わ〜、そういう部分でも教え合いというか協力というか…先生と学生さんの距離の近さを感じます。
本当にフランクな感じで接してくださって、言ってしまえば友達のような感覚です。
今は教える立場だけど卒業すれば同志になるので、できるだけ学生とは近い存在でいたいと思っていますね。僕もここの卒業生で、当時教えてくださった先生がそういう方だったので、僕もそういう先生になりたいなと。
そうですね、先生の普段の感じからも授業からも伝わってきます。
授業もわいわいした感じでやってるよね。
コミックイラスト専攻のほうはイラストをコンペに出したりしていて、総合マンガ創作専攻は…?
マンガ専攻の方もコンペにイラストを出してますね。マンガ専攻といってもアニメーターやイラストレーターになる人とかもいるので、マンガ以外のこともガンガンやってます。
【絵で食べていく】ということに重点を置いた時、イラストだけ、とかマンガだけ、だとどうしても門が狭まっちゃうので、できる限り色んなことをできるようになってほしいです。
っく〜〜〜羨ましい…!
絵の仕事自体が昔に比べて増えてますしね。マンガでも商業雑誌だけじゃなくウェブとか縦読みとか広告系とか…新しいものがどんどん出てくるので、そんな色んなことに対応できる力というのは大切ですよね。
時代ですね。イラスト+α、マンガ+αがあるのは本当に強みになると思います。
将来はどんな職に就きたい?
最後に、今はどんな職を目指されていますか?
会社所属のイラストレーターになりたいと思っています。ディレクションなどにも興味があって、面白そうだなって。
やっぱりマンガ家ですね…!できればアニメ化もしたいです。音楽業界にいる従兄弟がエンディング作ってやるって言ってくれて、それを目標に頑張っています。
ぜひ叶えてほしい…!
頑張ってください。応援しています!
実は事前にインタビューに関する打ち合わせをした際は学生さんにのみインタビューの予定だったのですが、学生さんのほうから「先生がいたほうが緊張せず話せると思うので」とご要望をいただき、今回のような形になったという経緯があります。
本当にその通り、先生と学生さんたちの信頼関係や、先生の厳しくも愛ある一面が垣間見られるアットホームなインタビューになりました。
ご協力いただきありがとうございました…!
卒業後の進路先と内定率
何より気になるのは、専門学校卒業後の進路先と内定率。
学校を決めるにあたって、かなり重要になるポイントかと思います。
そこで、学生課キャリアセンターの方に話を伺ってきました。
①どんな就職先がある?
多いのはイラストレーター、アニメーター、キャラクターデザイナー(ゲーム会社勤務)です。
就職ではありませんが、マンガ家としてデビューしたり、アシスタントに入ったりする学生もいます。また、株式会社エヌ・エフ・トゥーンと業務協約締結を結んでおり、そちらに就職する学生もいます。
▼PR TIMES記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000028311.html
②内定率は?
全体で92%(2023年3月卒業生)です。
希望内訳として62.2%が就職を希望、37.8%がフリーランス、作家、進学などを希望しています。
マンガ科はフリーランス希望の人が若干多い印象です。
③その道に進む学生は何割ほど?
約9割の学生が自分が学んだ分野の道に進んでいます。
9割ってほとんどでは…!?素晴らしすぎる!!!
まとめ
大ボリュームでしたが、NDSの魅力は伝わりましたでしょうか?
進路を悩んでる方がいたら、大学と専門学校の違いや進路先なども含め、この記事が参考のひとつになるととても嬉しいです!
\ 使い方記事の要望を受け付けています /
あかねる
MediBangイラストレーター。
某4年制私立芸大マンガ学科卒。
はじめての専門学校にワクワク。