今回は、ちょっとしたコツで小物や背景がぐっとリアルになる方法をご紹介します。
とても簡単なテクニックなので、ぜひ普段のイラスト制作に取り入れてみてください!

 

立方体を描く

まずは立方体を描いてみましょう。
一つの面が正方形ですから、少し角度を変えるとこうなります。

 

図形のようにも見えるので、影をつけてみます。

間違ってはいないのですが、のっぺりした違和感のあるイラストになってしまいました。

 

肉眼の見え方

ここで一度、人の目からの周囲のものの見え方を考えてみましょう。
立方体を縦にたくさん並べたとします。

一見とても自然な画面のように感じますが、人の視界は、手前のものが大きく、遠くになるに従って小さく見えるようになっています。
遠近法という言葉はよく耳にしますね。
当たり前の現象なのですが、実は今皆さんが目にしているパソコンや机なども、この原理で成り立っています。

つまり、真ん中の立方体のところに目の位置(アイレベル)がある場合、遠い位置になる一番上、一番下の立方体は小さく見えているのです。

極端に表現するとこういうことですね。
(元画像を加工しただけなので、実際の見え方とは異なります。)

こんな風に視界が歪んでしまうとまっすぐ歩けないですね。
そこで、脳がきちんと情報として処理してくれているわけです。

一度、扉や冷蔵庫の真ん前に立ってみてください。
頭は固定したまま目線だけを上下に動かすと、上の辺、下の一辺は短く見えるはずです。
ゆっくりと視線を上下させると、ゆるやかなカーブにも見えるかもしれません。

 

透視図法

ものの見え方がわかったところで、実際の製図に応用できる方法をご紹介しましょう。
『透視図法』を既にご存じかもしれませんが、これは画面上に点を取り、そこに集中する線から立体を製図する方法です。

必要性に応じて1点透視、2点透視、3点透視があります。
さきほどの立方体を3点透視図法で描いてみましょう。

最初に描いた立方体から、線が少しずれているのがおわかりでしょうか。

 

これをもとに描き直してみると…


(※赤い線が最初に描いた立方体です)

こんな風に少しキュッと内側に絞られたようになりました。

 

これに影をつけるとこうなります。

どうでしょうか。
少し自然な立方体になったように感じないでしょうか?
背景などは特にこの図法を使うととても説得力のある画面になります。

ちょっとした小物などすべてにこの方法を使うのは無理なので、ほんの少しだけ線を内側に絞る、というイメージで描くと自然でリアルなイラストに仕上がりますよ。

 

影の付け方

最後に、影の付け方をご紹介します。

影の大きさ、形は光源の向きと高さによって決まります。

こんな風に光源は物体より手前、奥、低く、高く、遠く、近くと360°どこからでも当たる可能性があります。
太陽光なのか、蛍光灯なのか、そしてその位置をだいたいでいいので決めてください。
イラストの同じ画面上で影がバラバラだと、強い違和感が出てしまいます。
影をそろえるために、だいたいの光源を決めるんですね。

それでは、立方体より手前、45°より少し低く光源を決めてみましょう。

光源からまっすぐ線を引いて、物体のてっぺんを通り、地面に到達した点が影の頂点になります。
物体の細かな形や、光源の正確な位置などは気にしないでください。

・光源が手前なら影は奥に、奥なら影は手前
・光源が低い位置なら影は長い、真上なら影は短い

この2点を覚えておけば大丈夫です。


(光源が真上になるほど影は短くなる)

 

透視図法と光源を意識したイラスト

あらためて、立方体を描き直してみました。

立方体の重さや立体感、奥行きが感じられませんか?
影のおかげでしっかりと地面に接地している様子が表現できています。
なお、影は輪郭線をぼかしてあげると雰囲気が出て◎です!

すべてのイラストで完璧な透視図法と、正確な光源を設定する必要はありません。
この2つを少し頭に置いて描くだけで、とても魅力的なイラストになりますよ♪

ぜひ試してみてください!