2022.03.25
肌塗りメイキング-透明感のある女の子-
カラーパレットを変えたり、ブラシを変えたり…肌の塗りはバリエーションの多さゆえに、奥が深いと思います。
肌の塗りによっては、イラストの印象が大きく変わります。
今日は女の子の透明感を引き立てる肌の塗り方をご紹介します。
・使用するブラシ
アニメ風とはひと味違う、柔らかい雰囲気を演出したいので、今日は主に水彩ブラシを使っていきます。
まずは水彩ブラシを新しく追加してみましょう。
やり方がわからない人は下の記事を参考にしてみてください。
次に、水彩ブラシのパラメータを調整します。
人それぞれの好みがあると思いますが、私は「混ざりやすさ30」「色補充30」「不透明度20%以下」にしています。
「筆圧サイズ」と「筆圧不透明度」にチェックを入れることで、重ね塗りや自然なグラデーションが描けるようになりますので、必ずチェックを入れましょう。
・レイヤー構成
最初に、今回のレイヤー構成をお見せします。
レイヤーの名前の編集をせずに描き進めていくと、後から修正を入れようと思った時に、大変な思いをしてしまいますので、レイヤーを増やすたびに怠らずに名前を付けておきましょう。
・カラーパレット
使用する色はキャラクターと気分によって変えています。
赤系の色を使うと血色感がありますし、黄色っぽい色を使えば自然に見えます。
イラストの雰囲気に合わせて色々工夫してみるといいかもしれません。
今回の講座で使用する色は個人的に一番使っている組み合わせになります。
・ベースカラー
肌と爪を2つのレイヤーに分け、それぞれベースカラーを塗りました。
ベースなので、塗りつぶしツールや不透明度100%の硬いブラシを使用するようにしましょう。
爪は見落とされやすいですが自分はしっかり描きたい派です。
女の子は指先までかわいいので…。
マニキュアをイメージしてやや濃いピンクを入れました。
肌と同じベースカラーでもいいと思います。
・グラデーション
ベースカラーのレイヤーの上にレイヤーを作成し、クリッピングします。
これ以降の作業に関しても、レイヤーをクリッピングして一枚ずつ上に重ねていく感じで進めていきます。
エアブラシで、額と線画まわりに軽くグラデーションを入れます。
立体感をより見せることができるためです。
このように、着色する際、三次元的に考えることは非常に重要です。
・赤み
私の場合、女の子を描く際、頬にチークを入れるという作業が、一番テンションが上がるので、先に塗ってしまいます。
水彩ブラシか、エアブラシを使って、頬、鼻あたりに赤みを足すことで、かわいらしい印象を与えることができます。
また、唇を塗ることも重要視しています。
ほんのり色づくようなナチュラルな感じに仕上げたいので、チークと同じく、彩度が低めなオレンジにしてみました。
程よく肌色になじませることで、女の子っぽさ倍増です。
ここでも水彩ブラシを使って塗りました。
白を唇の中央に何回か重ねて塗るとハイライトになり、立体感を引き出しつつ、より柔らかく見せることができます。
・影1
肌は柔らかくなだらかなため、影の塗りに水彩ブラシのようなエッジが柔らかいブラシを使っています。
同じ理由で、影は3つのレイヤーに分けて、ベース色によくなじむ薄い色から主張が強く濃い色の順で塗るようにしています。
一番薄い色からスタートです。
グラデーションで塗った箇所を線画になぞってもう一回塗るイメージです。
前髪で隠れる額あたりにはまだ手を付けません。
髪の落ち影ができると考えられるため、もっと濃い影ができるはずです。
・影2
前述の髪による落ち影を描いていきます。
ここで注意しなければいけないのが、「顔全体の立体感」です。
平面的に影を入れるのではなく、髪の毛や顔などのパーツの立体を意識しながら影を入れるようにしましょう。
下の例のように、まるでベースカラーのレイヤーの色を変えて、そのまま右下にずらした、なんて塗り方はあまりおすすめしません。
髪の毛はふわっと額にかかっているため、それだけの面積の影ができます。
額の他にも、首や、手のひらを中心に塗りました。
・影3
影2で使用した色よりも赤みを増した色を使って影3を塗っていきます。
影3は影2の範囲内で、一番暗くなる場所を影2の色になじませるように塗っています。
例えば、前髪による落ち影の一番奥の部分や首の全体といったところです。
ここでは手がピースしていますので、曲がった指による落ち影も入れてみました。
・ハイライト
肌のつや感を演出するためにハイライトは必要不可欠です。
レイヤーモードをオーバーレイにして、白で鼻先や顔の輪郭に描き入れます。
白すぎると目立ってしまい不自然になるので適度にレイヤーの不透明度を下げましょう。
お顔の丸みを強調するために輪郭をぼかしブラシや指先ブラシでなじませてみるのもいいと思います。
・オーバーレイで調整
全体的に暖色系である肌に、青や紫を足すと質感を上げることができます。
今回は、オーバーレイで暗部に紫を入れ、光が当たる箇所にオレンジを軽く入れてみました。
赤やオレンジを入れることで血色感を出すことができ、単調な影の色に変化を付けることができます。
「フィルター→色相」(Ctrl+U)で彩度と明度を調整したり、レイヤーの不透明度を下げたりして、なるべく自然になじませるようにしています。
・ネイル
爪に関しても同じように、ベースカラー→影→ハイライトの順にレイヤーをクリッピングして重ねていきます。
線画に沿って白い線をなぞるようにハイライトを入れると艶が出てかわいいと思います。
完成です!お疲れ様でした。
私の描き方を知っていただき、少しでも何かの参考にしていただけたら幸いです。
たくさん練習して肌塗りを上達させましょう!
(文・絵/でぺ)
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