2023.04.05
【初心者向け】実は重要なパーツ!おさらいしたい鼻の描き方まとめ!
顔のイラストを練習する時、まず描けるようになりたいパーツはどこですか?
多くの人が「目」「顔の輪郭」を挙げると思います。
実は、その2つと同じくらい需要なパーツがあります。「鼻」です。
イラストビギナーさんで、「ある程度顔は描けるようになったけど、なんか垢抜けない…」「正面以外の向きだと鼻がどうなっているか分からない…」という方も多いのではないでしょうか?
一見地味なパーツですが、顔の完成度を上げるために鼻はとても大切な部分です。
鼻の構造を改めて理解して、イラストのレベルアップに繋げましょう!
Index
鼻ってどういう構造?
人間の鼻ってどういう構造になっているか考えたことはありますか?
「デフォルメの顔しか描かないし、こういうリアルな鼻の勉強はいらないよ!」とお思いの方もいるかもしれませんが、デフォルメして描くにしても、リアルな鼻の形が頭に入っているか入っていないかで出来栄えが大きく変わってきます!
鼻の基本構造です。
それぞれのパーツに名前がありますが、ここは無理に覚えなくても大丈夫です。
リアルな鼻を、簡単に4つのパーツに分け、図形にしてみます。
- 鼻の上面(鼻筋)
- 鼻の側面(左右)
- 鼻の底面(鼻の穴)
この図形に、よくあるデフォルメの鼻を当てはめるとこんな感じです。
顔に角度がついても、この図形を使ってアタリを取れば大きく崩れずに済みます。
ビギナーさんでよくあるのが、「顔の向きと鼻の向きが合っていない」というミス。
ある一つの角度の鼻しか描けない!という方は、面倒でも一度鼻のアタリを取ってから描いてみると、描ける角度のバリエーションを増やすことができます。
そもそも点で省略して描きたいんだけど…?
女の子や幼い人物を描く時に、鼻を小さな点で省略する人も多いですよね。
あの点、鼻の構造の中でどの部分を表していると思いますか?
あれは「鼻の頭」です。先ほどのアタリに当てはめると上の画像の通りになります。
なんとなくで点を打つのと、「これは鼻の頭だ」と意識して場所を決めるのとでは大違いです。面倒でも、図形のアタリもしくは十字のアタリを引いて、鼻の位置を確認してから点を打つことをおすすめします。
次に、それぞれ角度別に描き方を紹介していきます。
①正面
まずはここから始めましょう。
先ほどの図形のアタリを正面顔に当てはめてみます。
鼻の始まりは目と目の間、鼻先はちょうど耳たぶ付近と同じラインになります。
意外と「鼻先と耳のライン」がズレてしまうパターンが多いです。
大きな鼻が特徴的なキャラクターは別ですが、基本的には耳たぶライン!と覚えて置くと安定します。
正面顔の鼻でよく見るデフォルメをまとめました。
鼻筋を描く・描かない、鼻の穴だけにする、点だけにする、底面を影で表す…など、絵のタッチによってどう省略するかは様々です。自分のなりたい絵柄に合う描き方を試してみましょう。憧れの絵師さんの描き方を研究するのも手です。
デフォルメで大切なことは、重ねてのお話になりますが「この線は何の線なのか?」を理解した上で描くことです。
どう表現するにしても、リアルな鼻を思い浮かべて、またはアタリを取りながら描くように心がけましょう。なんとなく、ただ手癖で描いてしまうと上達しません。
②正面上向き
真正面が描けるようになったら、角度のついた顔に挑戦してみましょう。
まずは正面上向き(アオリ)です。ポイントは、
- 鼻の穴がしっかり見える
- 鼻先が上を向く
- やや鼻筋が短くなり、形もつぶれ気味になる
です。鼻の穴はカタカナの「ハ」の字のような形になります。
③正面下向き
正面下向きのポイントは、
- 鼻の穴が見えなくなる
- 鼻先が尖ったような形になる
- やや鼻筋が長くなり、口との距離が縮む
です。
顔は下向きなのに鼻は正面と同じ描き方で鼻の穴がしっかり見えている…というパターンが多いのですが、下向きの場合鼻の底面が隠れます。鼻もきちんと下を向かせましょう。
④斜め横向き
正面の次は斜め向きの鼻です。この向きの鼻はよく描きますよね。
図形のアタリを当てはめてみましょう。一番よく見るデフォルメ方法は、鼻筋〜鼻先を三角、見えている鼻の穴を線で描く方法ですね。
斜め横向きも、角度によって微妙に鼻の見え方が違います。
- 正面に近いほど両方の鼻の穴が見える
- 横に近いほど鼻先は尖り、鼻の頭が輪郭からちょっと出る
難しいかもしれませんが、慣れてきたらこの少しの違いも意識して描いてみてください。
⑤斜め上向き
ビギナーさんにとっては難関かもしれませんが、慌てずきちんとアタリを取ることでバランスが崩れず描くことができます。少しずつやってみましょう。
ポイントは、
- 鼻の底面が大きく見える
- 鼻先が上を向く
- やや鼻筋が短くなり、角度によっては目が隠れる
です。
一番のポイントは鼻の底面をしっかりと見せることです。鼻の穴を描かない場合でも、
三角形を描いて表すなどの工夫をすると立体感が出ます。
また、鼻を点だけで表したい場合、鼻の頭は高い位置にあるので、点の位置もかなり高くなります。ビギナーさんの絵では、上を向いているのに鼻の位置が低いというパターンが多いので、鼻の頭の位置を意識して描きましょう。
⑥斜め下向き
次は斜め下向きです。ポイントは、
- 鼻の穴が見えなくなる
- やや鼻筋が長くなり、鼻先が尖る
- 角度によっては鼻先が輪郭よりはみ出る
です。
特徴は正面下向きとほぼ同じです。
角度によっては鼻先が輪郭線からはみ出ます。
⑦横顔
横顔の鼻は一見簡単そうですが、バランスが崩れやすく難しいです。
横顔の鼻を描く時に気をつけるポイントは、
- 鼻が大きくなりすぎない
- 鼻筋の始まる位置
- 鼻の穴の位置
です。
一番よくあるのが、鼻が大きく(高く)なりすぎていることです。イケメンキャラを描く時になりがちなのですが、鼻筋がとても長くなってしまっているか、鼻の三角全体が大きすぎるパターンが多いです。
基本は正面と同じで「鼻筋の始まりは目と目の間」「鼻先は耳たぶライン」です。あと、自分が思うよりも少しだけ鼻を低めに描くと良いと思います。
女の子や幼い人物を描く時は、あまり鼻に起伏を付けないようにすると可愛らしく見えます。
横顔以外は鼻を点で描いていたのに、横顔になった瞬間なんだかゴツくなった…となりかねないので、可愛らしく丸みを帯びたシルエットを心がけると良いです。
おまけ:鼻の影?光?みんな描いてる「アレ」について
主にイケメンイラストによくありますが、鼻筋から鼻の横にかけてを三角形で表しているイラストがとても多いと思います。ビギナーさんでも真似している方も多いのではないでしょうか?
あの三角形が何なのか、理解して描いていますか?あの三角形、描き手によって「鼻の影」と「ハイライト」の2パターンに分かれています。
カラーイラストの場合、影として描いている人は影の色、ハイライトとして描いている人は明るい色で塗っています。
モノクロイラストや漫画の場合、影派の人は斜線で埋めたりトーンを貼る人もいます。
何も考えずにただなんとなく…好きな絵師さんがやっているから…で真似をするよりも、自分は影なのかハイライトなのかどっちとしてこの三角形を描いているのかちゃんと決めた上で描くようにしましょう。
今回は鼻について解説しました。
なんとなくで描きがちですが、鼻は顔のバランスを決める重要なパーツです。
構造を少し意識して描いてみてくださいね!
(絵・文:はらなおこ)
twitter: @nao_comic
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