2023.11.17
白髪の上手な塗り方で華やかさを演出!手順やポイントを実例で解説
儚げな印象のある白髪は、男女キャラ問わずに採用したい髪色ですよね!
しかし、白髪だとどのように塗りで髪色を表現すればよいか分からず、単調になってしまうと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
白髪の塗り方に悩んでいる方も、コツを掴めば白髪で華やかさを演出することが可能です。
この記事では、色素の薄い『白髪』の塗り方について、実際の作例を元に解説します。
透明感のある黒髪の塗り方や、線画の起こし方はこちらの記事を参考にしてみてください!
「透明感のある黒髪の塗り方を8ステップで解説!初心者でも簡単に透明感を出すコツ」
https://medibangpaint.com/use/2023/09/feeling-of-transparency-black-hair-eight-step/
「初心者でも簡単!かわいい女の子のイラストを描く方法【髪編】」
https://medibangpaint.com/use/2023/07/cutegirl-draw-method-hair/
Index
華やかさを演出するための白髪の塗り方を実例で解説!
黒髪と同様に、白髪の塗りは他の髪色に比べて比較的難しいと言われています。
白髪などの色素の薄い髪を表現する際には、影やハイライトの有無で描き分けることに加え、青や紫の寒色やオレンジ等の暖色を入れることで華やかさを演出することができます。
完成イメージ
※このイラストの髪の部分の色の塗り方をご紹介します。
実際の塗りのステップは次のとおりです。
1.ステップ①:髪の下塗り
2.ステップ②:影①を入れる
3.ステップ③:影②を入れる
4.ステップ④:影③を入れる
5.ステップ⑤:オーバーレイで雰囲気を整える(暗部)
6.ステップ⑥:オーバーレイで雰囲気を整える(明部)
7.ステップ⑦:オーバーレイを調整する
8.ステップ⑧:髪の内側を光らせる
9.ステップ⑨:髪の毛を描き加えて仕上げ
それでは、それぞれのステップを詳しく解説していきます。
ステップ①:髪の下塗り
まずは白髪の下塗りをしていきましょう。
ここではベースカラーとして少しくすんだ白を使っていきます。
他の髪色とは違い、白髪の塗りではベースカラーが明るく色素も薄いため、ツヤ感を出すためのハイライト用のレイヤーを追加しても効果が分かりにくくなってしまいます。
ですので、白髪の塗りではベースカラーに影を足していく形で進めていきます。
ベースカラーが髪の毛の一番明るいハイライト色になるため、明るめの色をチョイスしています。
ベースカラーを塗る際に、光源の位置もパッと決めちゃいましょう。
光源については以下の記事で詳しく解説しています。
「立体感UP!光と影の付け方」
https://medibangpaint.com/use/2021/07/how-to-add-light-and-shadow/
ステップ②:影①を入れる
次に、新規の通常レイヤーを作成し、影①を入れていきましょう。
今回のイラストでは影①〜③までの3つのレイヤーを使う予定ですが、一番薄い影①から塗っていきます。
影①の色はやや青みを帯びた薄いグレーをピックしました。
髪の毛には光沢があり、光が当たると明るく反射し、光の当たらない箇所は影でより暗くなります。
光と影の表現によって髪が一気に立体的に見えるようになりますが、白髪は反射光での表現が難しいため、より髪の重なりを重視した塗り方で影を細部まで描き入れてみましょう。
影の形は基本的に線画の流れに沿って、髪の根元から毛先に向かって流れるように描いていきます。
今回は光源を右側に設定したので、左半分に影を多めに、右半分に影を少なめに入れるよう心掛けていきましょう。
ここで明部と暗部の割合を1対2にすると、より今風のイラストになるのでぜひ試してみてください!
ステップ③:影②を入れる
影①を塗り終わりましたら、その上にもう一つ新規の通常レイヤーを作成し、影②を塗っていきます。
影②は、影①で使用した色に比べ一段と暗く、そして青みがより強い色にしました。
影①〜③の順に、より暗く、青みを強調した色を使用します。
ステップ④:影③を入れる
影③は、今回の塗りにおける一番暗い色です。
後ろ髪や髪の毛の束による落ち影など、全体をパッと見た時、一番暗くなる部分に入れてコントラストをつけましょう。
画面全体が汚れないように少量で少しずつ入れることがポイントです。
ステップ⑤:オーバーレイで雰囲気を整える(暗部)
影が塗れたら、新規のオーバーレイレイヤーを作って、暗い部分に紫をのせていきます。
白髪の塗りに使用する色はどうしても単調になりがちなので、オーバーレイで青系や紫系の色を暗部にのせると奥行き感が出しやすくなり、透明感が生まれます。
ステップ⑥:オーバーレイで雰囲気を整える(明部)
同様に、新規のオーバーレイレイヤーを作成し、今度は明るい部分を中心にオレンジ色をのせました。
青や紫等の寒色は奥に見える視覚的効果があるのに対し、オレンジや黄色などの暖色は手前に見え、光と影の境目に彩度の高い暖色を置くことでよいアクセントになります。
髪のベースカラーをそのままハイライトとして使う場合にも、髪の毛の束の前後関係を強調できますね!
ステップ⑦:オーバーレイを調整する
地味になりすぎないようにステップ⑤の暗部の紫をもう少し強めたかったので、もう一度オーバーレイを入れてオーバーレイを調整しました。
色味が濃くなりすぎないように、全体を見ながら入れ加減を調整するよう心がけましょう。
ステップ⑧:髪の内側を光らせる
透明感を出すために、髪の一番内側の部分にスクリーンレイヤーで紫を重ねて光らせました。
スクリーンレイヤーには、レイヤーの色を明るく柔らかい印象にする効果があります。
スクリーンレイヤーについてはこちらでも詳しく解説しています。
「【初心者向け】スクリーンレイヤーを使ったイラストの仕上げ方」
https://medibangpaint.com/use/2021/07/how-to-finish-illustrations-using-screen-layer/
ステップ⑨:髪の毛を描き加えて仕上げ
仕上げに、塗りレイヤーの下に新規レイヤーを作成し、奥に髪の毛の束を足していきましょう。
ここでは、遠くにあるのはコントラストが弱くなることを踏まえて、彩度低めな色で描きました。
柔らかいブラシを使うことで髪の毛が霞んで見え、より立体感が出やすくなると思います。
最後に、新規のレイヤーを作って様々な場所からスポイトで色を拾いながら、髪の毛束を一本ずつ元のイラストに馴染ませるように追加していくと、細かいディテールが表現された髪になります。
線画の髪の流れに沿わない髪の毛を加筆するとよりリアリティが増しますので、お好みで髪の毛の量や位置の調整を行いましょう!
白髪を上手に塗るために意識しておくべき2つのポイント
ここでは、白髪を上手に塗るために意識しておくべきポイントを解説します。
ポイント1.暖色と寒色の違いを意識する
色素の薄い白髪を塗る際には、ベースカラーの明暗で塗り分けるのではなく、暖色と寒色で毛束を表現します。
その際、赤や黄色などの暖色は手前に見え、青などの寒色は奥に見える視覚効果があります。
また、暖色は浮き上がっているように感じられる「進出色」と、寒色は遠くにあると思わせる「後退色」と呼ばれています。
暖色と寒色の違いを意識することで、少ない色味でも毛束を表現することが可能です!
ポイント2.光と影の表現を意識する
白髪の塗りでは、光と影の表現を意識することが重要です。
ただし、色素の薄い白髪の塗りでは、一般的な塗りのようにベースカラーの上にハイライト用のレイヤーを足してハイライトを塗っても効果を得られにくくなっています。
白髪の塗りでは、ベースカラーをもっとも明るいハイライト色に設定し、その上に影を足していく塗り方がおすすめです。
光を表現する場合には、オーバーレイレイヤーやスクリーンレイヤー等を活用しましょう。
髪の毛はキャラクターの命!白髪も透明感やツヤ感を意識して単調にしない
髪の毛はキャラクターの命と言ってもよい要素で、白髪のキャラクターは個性やストーリーを持たせやすく、イラストにおいても重要なキャラクターとして描きやすい髪色です。
今回は、色が単調になりがちの白髪を取り上げて、透明感やツヤ感を表現しつつも華やかさを出せる塗り方を紹介させていただきました。
今回紹介したことを意識して、ぜひ皆さんも白髪のキャラクターを描いてみてくださいね!
この記事が、皆さんのイラストのクオリティがより高くなる、ひとつの知識になってくれると嬉しいです。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。ありがとうございました。
(文・絵/でぺ)
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