2021.01.04
顔漫画から卒業!漫画の基本構図を覚えよう
「いつも顔ばっかりの漫画を描いてしまう」
「読者を感動させたいけど、描き方がわからない」
漫画を描いていてそう悩んだことはありませんか?
今回の記事では、漫画を描くときに使える基本構図とカメラアングルをご紹介します。
構図とカメラアングルを組み合わせて、メリハリある読者を惹きつける漫画を描いてみましょう!
Index
基本の構図3パターン
コマ枠内にキャラクターをどこまで描くかによって構図が決まります。
基本の3パターンを解説しますので、読者に見せたいもの、伝えたいことに合わせて選びましょう。
1.アップショット
キャラクターの顔部分を大きく描いた構図です。
キャラの表情から感情がよく伝わるので、感情移入でキャラと共感させたいときにおすすめです。
アップで描かれたものは強く印象付けることができるので、見せたいものを特に強調することができます。
2.ミドルショット
胸~膝までを描いた構図です。
表情、動き、状況などいろんな情報を伝えることができる便利な構図になります。
「胸まで」「腰まで」「膝(太もも)まで」とキャラクターをどこまで描くかによって読者に伝わる情報は変わります。
例えば胸まで描く場合はキャラ同士の会話や日常シーンなど、動きを見せる必要がないときにおすすめです。
腰まで描くと表情や動き、背景などいろんな情報を伝えることができます。
人物の描写が小さくなるにつれて表情への視線誘導が弱くなります。
膝(または太もも)までの構図は、キャラ全体の情報を見せつつ、背景も見せることができます。
また、動きを見せたいときにもおすすめです。
3.ロングショット
コマ枠内にキャラクターの全身を描いた構図です。
コマ枠いっぱいに描けばキャラクターの紹介に使えます。
また、キャラを小さく描けば背景のスペースが増えるので、キャラの周りがどんな状態かを説明したいときにも使えます。
キャラクターの登場シーンにロングショットを使うと、そのキャラが物語において重要なキャラである、という印象を与えることができます。
キャラクターを小さく描き、その分周囲の情報をしっかりと描くことで、キャラの周りを取り巻く状況を説明することができます。
アップやミドルに比べると表情などの細かい部分は伝わりづらいので、状況説明やアクションシーンなど感情移入の必要がない所で使いましょう。
構図を考えるポイント
構図が連続してしまわないよう、ロングショットのコマの次はアップショットコマ、といったようにバラバラに使うことでそれぞれの良さが引き立ちます。
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ポージング中級編~キャラクターを走らせてみよう~
カメラアングル
キャラクターをどこから見るかによって、読者に与える印象が変わったり、コマ内に収めることができる情報の量が変わります。
先述した3つのパターンとカメラアングルを組み合わせることで、より読者に伝わりやすい構図を描くことができます。
1.俯瞰(ふかん)
対象を上から映したアングルを「俯瞰(ふかん)」といいます。
上から見下されている、という印象を与えることができるので、弱者、挑戦、ネガティブなシーンと組み合わせると効果的です。
ロングショット+俯瞰を組み合わせると、高い所から見下ろしたような構図になるのでキャラクターと周囲の距離感や、状況を説明するのにおすすめです。
「自分より上からの景色」は本人では知りえない光景なので、俯瞰は第三者(読者、コマ外の人物)からの目線になります。
状況の説明には適していますが感情移入は難しいので、感情を伝えたいような場面では多用しないようにしましょう。
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いろいろな顔の向きの描き方【フカン】
2.煽り(あおり)
対象を下から映したアングルのことを「アオリ」といいます。
下から見上げるような構図は、臨場感があり迫力を出しやすい構図になります。
アオリで描かれた対象は威圧感が増して大きく、強く見せることができるので、強者の迫力や対象の大きさを強調したいときにもおすすめです。
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いろいろな顔の向きの描き方【アオリ】
いかがでしたでしょうか。
どんなにイラストが上手でストーリーが素晴らしいものでも、構図がいまいちでは読者に伝わる感動は半減してしまいます。
逆を言えば、画力が発展途上でも構図が上手であれば十分に読者の心を揺さぶる作品を作ることができるのです。
構図をマスターして、漫画のクオリティアップを目指しましょう!
(文・絵/mozukuni)
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