2021.06.14
【テクニック】線画を使わない!風景イラスト
今回は風景イラスト初心者の人でも直感で描ける、線画なしの描き方をメイキングしていこうと思います。
難しい技法は使いませんので、苦手意識のある人もぜひ挑戦してみてください!
Index
1線画の有無について
イラストを作成する時、下書きから線画に起こし、カラーへと進めて行きますが、今回は線画の手順を飛ばして、「ラフ作成→カラー」という手順で進めていきます。
今回メイキングしていく線画を使わないイラストは、厚塗りなどでよく使われる手法です。
線画の有無の特徴をまとめると・・・
線画のあり・なしどちらにも良い点がありますね。
まだ自分の絵がどちらに向いているかわからない人も、ぜひ今回の線画なしイラストに挑戦してみてください!
2形を取っていく
では早速イラストを作成していきましょう。
今回は綺麗な湖と山岳地帯というイメージで進めていきます。
ざっくりとラフに起こします。
奥に空・真ん中に山・手前に木を並べています。
この時、奥・中間・手前を意識して描き始めると奥行きのあるイラストが作成でき、その空気感からより線画を使わない良さを表現できます。
さっき描いたラフに色を載せていきます。
木や山の形を整えながらざくざく塗っていきましょう。
続いて空の色も塗りました。
以下のようにレイヤー分けしながら塗っていくと、後で編集しやすくなります。
新規レイヤーは左下のアイコンから追加してください。
現在は、木(手前)・山(手前)・山(奥)・湖・空で分かれています。
3陰影で立体感を作る
続いて山々に立体感を出すために、「面」で明るさを描き分けていきます。
左側の山に日に当たったような明るさを描きましょう。
明るさを足すことで平面だった山が立体に変わります。
続いて、まだ描き込んでいなかった山の麓に木々を置きました。
ざっくりと描いただけだった全体の形も同時に整えていきます。
線画を使わないので、形をはっきり出したいところは丁寧になぞるように描いていきましょう。
山のギザギザした形も少しずつ表現していきます。
ここで同時に、山の左側に影を落としています。
このようにだんだんと全体の形が取れてきました。
さて、次に山の明るい箇所に表情をもっと加えていきます。
オレンジに明るくしたレイヤーの上に新規レイヤーを作成。上部のクリッピングを選択しておきましょう。
クリッピングをかけたレイヤーにもう一段階明るい色で模様を加えていきます。
平面的だった模様が変化してきました。
山の影の部分にも同じようにクリッピングし、ブレンドを乗算に変更・不透明度を調節しながら影の模様を足しています。
続いて右側の山にも影を足していきましょう。
今回はソフトライトを選び、影の深さを調節しています。
このように影を増やしていきます。
まだ手をつけていなかった手前の草も描き込んでいきます。
草は丁寧さよりも、手の勢いで描いていきましょう。
草を描き終えるとこのようになります。
4コピーペーストで効率化
続いて湖を進めていきます。
水面に映り込んだ山々を作成するために、今まで描いた山のイラストを湖にコピぺします。
山岳地帯から麓の木々までを選択し、レイヤー下部の複製アイコンをクリックしてください。
複製されたレイヤーはコチラ
この8枚を結合し、編集しやすくします。
画面上部のレイヤーを選択し、下に結合をクリック。
8枚全て結合しましょう。
そしてレイヤーがこのようにまとめられました。
編集したレイヤーが上部にあるので、最初に作成した湖のレイヤー上まで移動させます。
まとめたレイヤーを水面に反射されたように編集したいので、上下を反転します。
レイヤーを選択し、回転→上下反転を選択します。
画面右の移動ツールを利用しながら、ちょうど反射になるように位置を調整してください。
次に麓の木々が水平になるよう、ものさしツールを使い下部を消しゴムで消しておきます。
画面上部の十字ツールを選択し、一直線に消しゴムで消してください。
移動させた湖のレイヤーは「非表示」にしてから進めましょう。
非表示にしたレイヤーを表示するとこのようになります。
5描き込みと調整
水面の模様がまだはっきりし過ぎているので、色を足していきましょう。
湖のレイヤー上に新規作成し、ブレンドでオーバーレイをかけながら青を足していきます。
不透明度も下げながら調整します。
次に、模様をブラシで左右にぼかしながら水面らしさを表現していきます。
水面と木々の境目を白でなぞって、水面らしさを強調しています。
描き込む中で一番手前の大きな木が埋もれてしまったので、鮮やかさと濃さを足します。
手前の木のレイヤーを選んだまま、フィルタを選択し色相をクリックします。
彩度を上げ、明度を下げます。
これでぼんやりしていた手前の木にメリハリがつきました。
最後に雲も控えめに描き込んでいます。
これで全体の作業が終了しました。
完成形がコチラ
レイヤーを使った編集はいくつかありましたが、比較的に感覚で進めやすいイラストになったと思います。
線画を使わないイラストは、優しい雰囲気やイラストの中の空気感を出すのが得意です。
難しい技法はわからないという方も、今回の手法をぜひ一度試してみてください!
(文・絵/荒金ひろみ)
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