2022.01.03
【テクニック】春夏秋冬 雲の描き分け方
今回は季節ごとの雲の描き分けをメイキングしていきます。
空は初心者にも簡単に描ける背景です。
季節によってキャラクターの洋服などを描き分けるように、雲の様子やちょっとした空の色で一層雰囲気のあるイラストにしていきましょう!
Index
1準備
最初に雲のメイキングに使うブラシ設定の説明をします。
まずはツールバーの一番上にあるブラシをクリックしてください。
今回は水彩(ソフト)を利用します。
右側の歯車のマークをクリックしてください。
図では上から
ブラシの画像・名前・タイプ・幅・最小幅の順に並んでいます。
図を解説していくとこのようになります。
・タイプ ペンのタイプの変更
・幅 太さのサイズ変更
・最小幅 入り抜きの強さ変更
そしてその下は
・筆圧サイズ 入り抜きのオンオフ
・筆圧不透明度 筆圧による不透明度のオンオフ
・ソフトエッジ エッジのぼかしのオンオフ
となっており、今回は「ソフトエッジ」を用途によって切り替えながら作成して行きます。
入り抜きの強さなど好みで変更できますので、自分にあった強さを探してみてください。
2春
では春のイラストを作成します。
今回はこのような設定で作業します。
画像四角内の混ざりやすさ・色補充については、過去に丁寧に解説された記事がありますので、こちらからご覧ください。
「【テクニック】混色ブラシの特徴と使い方」
今回はソフトエッジをオン、混ざりやすさ・色補充は70程度にしています。
春らしいふわふわした優しいニュアンスになるよう7割程度で計算しています。
では空の色を広げましょう。
優しい青から少し赤みのかかった薄い青にしています。
乗せた色を満遍なくぼかしていきます。
ぼかす時、スポイトツールを使って境界の色を取りながら塗っていくと自然なグラデーションを作成できます。
手の力を抜いてサッと塗っていきましょう。
スポイトツールは画像右下から選択してください。
次に白で雲の色を描きます。
この時、色を馴染ませたいのでレイヤー分けをせずにそのまま上から描きましょう。
雲に影を落とします。今回はそのままの薄いグレーを使わずに、空に合わせて赤みがかった薄いグレーにしてみてください。
雲の凹凸を意識しながら影の色を濃くしていきます。
なるべく下側を暗く、上側が明るくなるよう意識してみてください。
薄く少しだけ黄色も雲に乗せました。
全体に広がるように薄く線のような雲を入れます。
春によく見られる「うす雲」と呼ばれる雲で、空にふんわりと浮かびます。
うす雲に使ったブラシは「かすれ筆(墨)」です。
クラウドから簡単にダウンロードできるブラシです。
追加方法はこちらからご覧ください
「クラウドブラシの追加」
以上で春の雲は完成です。
3夏
続いて夏の雲を作成していきます。
ブラシ設定はこちら。
はっきりした雲を描きたいのでソフトエッジはオフに。
色補充は多めに80、混ざりやすさは色補充に比べて60と低めにしています。
さて空の色を塗っていきます。
今回はこのようにはっきりした空の色にしています。
春同様に色をぼかします。
ぼかす際はブラシ設定でオフにしている「ソフトエッジ」をオンにすると作業が簡単になります。
では雲の白を乗せます。
今回の雲は「入道雲」です。
下側は平らに、上側はもこもこと伸びていくように描くとうまく再現しやすくなります。
次に雲に影を落とします。
画面右から日が当たっていると仮定し、もこもこの左側を中心に暗くしてください。
下側の平らな箇所も暗く描きます。
影を深くしながら境界を少しずつぼかしていきましょう。
雲の表情を足していきます。
この時、雲の内側に何重にもモコモコを描き続けるようにしてみてください。
明るい色・少し暗い色・暗い色、と少しずつ色を変えながらニュアンスを足していきます。
そうすると少しずつ立体感が現れてきます。
特にはっきりとさせたい箇所は白で縁取りします。
今回は中心の雲に光が当たっているように見せたいので、そこを白で描き込んでいます。
雲の中の表情も、はっきり強調させたいところとふわふわさせたいところのメリハリを作ります。
こうすることでより雲らしい表現になっていきます。
はっきりさせたいところはブラシを細くして形をとり、ふわふわさせたいところはソフトエッジでぼかしてください。
以上の内容を繰り返しながら全体を進めていきます。
最後に定規ツールで飛行機雲を描き込みます。
ブラシを選んでから画像左の平行定規を選択してください。
角度は右側の歯車のボタンで変更できます。
先端に飛行機の形をちょこんとつけて夏の雲は完成です!
4秋
秋のブラシはこちらです。
筋にできる筆を使いたいので丸筆(ドライ)を利用します。
こちらのブラシもクラウドからダウンロードして利用してください。
空の色を乗せていきます。
今回は少し日が傾いたようなカラーにしています。
カラーをぼかしていきましょう。
では雲の様子を描き込んでいきます。
ブラシで鳥の羽を描くように、ふさふさした模様にしてください。
大体均等になるよう幅を見ながら増やし、雲の太さを出していきます。
今回は「すじ雲」と呼ばれる雲です。
この雲はヒナ鳥の毛のようにふわふわとした広がりが特徴です。
このまま画面に雲を広げていきましょう。
風の流れを感じるような配置にしてみてください。
撫でるように広げたり、トントンと置くように塗ったり少しずつ表情を加えます。
薄く影を加えていきましょう。
影は左側、一定方向になるよう意識してみてください。
こちらで秋の雲は完成です。
5冬
最後に冬に取り掛かっていきましょう。
ブラシの設定はこちら。
ソフトエッジはオン、混ざりやすさ・色補充は80にしています。
どんよりとした雰囲気にしたいので、空は少し濁った色にしています。
ぼかしていきましょう。
今回は空全体に雲を広げてください。
ここから雨や雪が降る前のようなずっしりとした雰囲気にしていきます。
次にグレーを広げていきましょう。
先ほどの白にも被せて塗っていきます。
もう一段深い色を塗ります。
隠れてしまった白い雲が見えるように、白で残したい部分を上からもう一度塗ってください。
そして境界を馴染ませて少しずつ雲の形も整えていきます。
白で塗った箇所と置いただけだったグレーの部分も雲らしい形になるよう整えます。
画面下部は遠い雲なので横に長く、画面上部は近い雲なので上下左右に大きく広がるように描くと、画面の中に遠近感が生まれますので意識してみてください。
そして完成がこちら。
4枚を並べるとこのようになります。
季節ごとの雲の様子の違いや空気感が伝わっていればと思います。
雲の形はある程度法則性はあるものの、とても自由です。
ぜひ今回のメイキングも参考にイラストに起こしてみてください!
(文・絵/荒金ひろみ)
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