2023.04.07
【超初心者向け】髪が上手く描けない人へ!髪の描き方お悩み別Q&A!
イラストの中でも特に印象に残る「髪」。イラストでは現実ではあり得ない特殊な髪の毛も表現できますが、表現が無限大だからこそ苦戦している人も多いのではないでしょうか?
今回は、髪の毛を描く時にビギナーさんが抱えがちな悩みに答える形で、解決方法と描き方をご紹介していこうと思います!
Index
お悩み① 頭が大きくなってしまう
髪の毛を描くと知らず知らずのうちに頭が大きくなってしまう問題、抱えている方は多いのではないでしょうか?私がイラスト初心者の頃もそうでした。完成した絵を見ると明らかに頭が大きいのです。
解決への近道は、「頭のアタリをきちんと取ること」です。
顔の輪郭を描いたあと、いきなり髪を描いていませんか?その方法だと頭が大きくなりがちです。輪郭だけ描くのではなく、卵型のアタリを描き、そのアタリに沿って髪を描くようにすると失敗が少ないです。
アタリが取れたら、そのアタリに沿って髪を描いていきます。
もう一つのポイントは、「つむじ」です。
髪や後頭部にあるつむじから流れるように生えています。顔のアタリにつむじを印付けしてみましょう。その印を中心とし下に落ちるように髪を描くと、不自然に髪が膨らむのを防ぐことができます。
頭の大きさのバランスを掴むのに慣れるまでは、いきなり細部を描き込むのではなく「髪のアタリ」をとるのもおすすめです!ざっくりと髪型の下書きをしてみましょう。
もうひとつ、頭が大きく見える原因として考えられるのは、「アタリが正確か?」ということです。
上の画像は、正面・上からのアングルの2つの頭を並べています。
正面は後頭部が見えていないのに対し、上からのアングルだとつむじ〜後頭部が広く見えます。ビギナーさんの絵でよくあるのが、「正面なのに頭だけ上アングル」という間違いです。正面なのに後頭部まで描いてしまうと、そもそもの違和感に加えて、頭が大きくなってしまいます。
自分の描きたい顔の角度によって、髪の毛の見え方は変わります。「どの角度の顔を描きたいのか?」を決めてからアタリを取りましょう。
お悩み② 横の髪の描き方が分からない/横の髪が膨らんでしまう
「横の髪が上手く描けない」「後ろの髪とごちゃごちゃになってしまう」という方は多いのではないでしょうか?
解決への近道は、「髪をパーツ分けすること」です。
イラストを描く時、髪を「前髪」「横の髪」「後ろの髪」と3つに分けて考えます。
これは短髪のキャラでも同じです。
前髪は大体目の端あたりまで。横の髪は前髪の横〜耳をすっぽり覆うぐらいまで。残りは後ろ髪といった感じです。
気をつけないと横髪が膨れがちです。つむじからストンと下に落として描くことで膨らみを防止できます。
耳に髪をかけている場合、前髪と横髪の境目がポイント。耳にかけていることが分かるように髪が後ろに流れるような線を描くとグッドです。
線が少ないデフォルメ的な絵を描く時や、複雑な髪型をしたキャラクターを描く時でも、一度髪を3分割してみて、「どこからどこまでが横の髪か?」を整理してみましょう。
お悩み③ 髪の流れが硬く見える
「髪がサラサラに見えない」「柔らかさが表現できない」というお悩みも多いと思います。
こちらの絵を見てください。
セミロングの女の子ですが、なんだか全体的に硬くふわっとした印象がありません。
原因として、「毛先が尖りすぎている」「毛先が太く動きが無い」「線画が一本線でなくカクカクしている」などが考えられます。
髪の線画で大切なのは「ふんわり感」です。
線が途中で途切れたり角が出来たりしてしまうと硬い印象になります。線はなるべく一本線で力を抜いて描きましょう。
髪の線画を細くするのもポイントです。顔や体など他のパーツと同じ線の太さではなく、少し細い線で描くと柔らかさが生まれます。
●線の綺麗な描き方についての参考記事●
【初心者向け】線画を描く6つのポイント
【初心者向け】線画を描いてみよう②線が綺麗に描けないときの対処法【スマホ向け】
毛先がお弁当のバランのようにギザギザしていると動きも単調になってしまいます。
いきなり毛の一本一本を書き込むよりも、まずは「束」にして考えてみます。
いくつかの束に分けて描いたあと、毛先に動きを付けていきます。
全て同じ形・同じ方向に毛先を動かしてしまうと不自然なので、少し逆向きの毛を混ぜてみたり、大きさを変えてみるとより立体感とふんわり感が生まれます。
毛先を少し丸く描くのもおすすめです。中級者の人は毛束の裏側が見える表現(上の画像参照)にも挑戦してみると◎です。
絵柄にもよりますが、毛先を全部描くのではなくあえて余白を残す描き方も透明感が出ておすすめです。
お悩み④ 結んだ髪の描き方が分からない
ツインテールやポニーテールなど髪を結っている場合、その結び目と周辺の髪がどうなっているかを理解して描くと格段にクオリティが上がります。
ポイントは「髪の流れ」です。
髪を結っている場合、結び目に向かって髪が引っ張られます。この引っ張られている流れを描くことによってより自然になります。
ツインテールのポイントです。
正面の場合は耳横から結び目に向かって髪が流れます。横顔も同様です。
後ろから見た時はまず頭の中央に分け目が入ります。この分け目が無いとおかしくなってしまいます。左右それぞれ結び目の方に髪が引っ張られます。
余裕があれば後れ毛を数本描くとリアリティが出ます。
ポニーテールのポイントです。
基本的にはツインテールと同じく結び目に向かって髪が流れていくのですが、真正面からだと結び目とポニーの部分はほとんど見えません。無理に見せようとすると不自然になってしまいます。
横と後ろから見た時、結んだ位置が高いと結び目が見えません。襟足の毛も結び目に向かってグッと引っ張られます。ツインテールと同じく、ポニーテールなのに土台の髪がショートカットの描き方のまま…という間違いがよくあるので気をつけましょう。
その他、ハーフアップやお団子などの髪型も、「結び目に向かって引っ張られる」が基本です。髪の流れを考えて描きましょう。
今回はビギナーさんが抱えがちな髪の描き方のお悩みについて解説しました。
基本的な描き方が分かるようになると、その次に動きのついた髪なども描けるようになります。髪はとにかく柔らかさがポイントです。ぜひ自分の絵に取り入れてみてください!
(絵・文:はらなおこ)
twitter: @nao_comic
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