2023.07.21
メディバンライブラリ07 イラストでの影の付け方!図解で手順を解説
イラストの完成度をグッと高めたいなら、影を加えて立体感を出しましょう!
ただ、イラストにおける影の付け方がわからなくて悩んでいる方も多いと思います。
この記事では、影の付け方を図解で解説します。
また、基本無料で使えるメディバンペイントを用いるので、まだイラスト制作にあまり慣れていない方でも、気軽にチャレンジできますよ!
Index
イラストにおける影の付け方の基本
「影」は、イラストで立体感やリアリティを表現するのに欠かせない要素です。
影の付け方でまず意識すべきポイントは光が当たる角度。
どこから光が当たり、どのように影ができるかを意識しましょう。
もう一点押さえるべきは、影の色。
影と聞くと、黒色を想像する方が多いかもしれません。
しかし、影を付けたい物や光に応じて、色を使い分けると、いっそう完成度が高まります。
「光の当たり方」「影の色」、これらを意識してこの記事をご覧いただくと、イメージがわきやすいと思います!
メディバンライブラリを活用しよう
メディバンライブラリとは、メディバンで提供している「描いて楽しむサービス」のことです。
2021年にリリースしてからは、イラスト初心者をはじめ多くのクリエイターが利用しています。
メディバンペイントはWindows・Mac・iOS・iPadOS・Androidに対応していますが、メディバンライブラリはすべてのOSに対応しています。PC・タブレット・スマホ、どこからでもアクセスできるため、好きなデバイスからいつでも練習を始められます。
メディバンライブラリの特徴は、初心者でも簡単にイラストが描けるようになる教材が多く揃っている点です。なかには、線をなぞれば簡単に描けるものもあるため、初めてイラストを描く方や、これからイラストづくりを趣味にしたい方には最適です。
他にもメディバンライブラリに関する記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。
メディバンライブラリ01 メディバンライブラリとは
メディバンライブラリ02 「はじめてアプリを使う方はコチラ」を使ってみよう
メディバンライブラリ03 「メディバンライブラリ」で服のイラストを描いてみよう!
メディバンライブラリ04 「メディバンライブラリ」で絵を描いてみよう!
メディバンライブラリ05「着ぐるみを着たキャラクター」のイラストを描いてみよう!
メディバンライブラリ06 イラストに色を塗ってみよう!バケツツールでの色塗りを解説!
イラストにおける影の付け方の手順
ここからは解説しつつ、影の付け方の手順を解説します!
手順①:メディバンライブラリにアクセスする
はじめに、メディバンライブラリへのアクセス方法をみていきましょう。
メディバンライブラリの開き方は、PCやiPad、iPhoneなど、お使いのプラットフォームによって少し異なります。
詳細は下の画像をご覧ください。
PC版
PC版をお使いの方は、左のメニューになる「ライブラリ」を選択してください。
iPad版
iPad版では、「描いてみよう」の下から2番目に「ライブラリ」があります。
ここをタップするとメディバンライブラリが開きます。
iPhone版・Android版
iPhone版・Android版は下段の一番左に「ライブラリ」があります。
それをタップするとメディバンライブラリが開きます。
そこから「色を塗ってみよう」を選択してください。
つづいて、使用するイラストを選択しましょう。
今回は、「女子高生風の女の子」で影の付け方を学んでいきましょう。
開いてみると、こんな感じになっています。
このコンテンツは、影塗りの練習のためのものです。
そのため、すでに下塗りは済んでおり、レイヤーもパーツごとに分けられています。
つまり、すぐに影を付けるステップをはじめることができます!
練習に最適です!
手順②:乗算レイヤーを設定する
「乗算」とは、そのレイヤーを重ねたフィルムのようにするレイヤーブレンド機能です。
このようなイメージです。
通常は、青色の上から赤色が上書きされているのに対して、乗算では色が混ざっていますよね。
基本的に乗算されるとその色は暗くなったように見えます。
イラストで影を付ける際には、この乗算を利用しましょう。
「乗算」はレイヤーウィンドウのこちらから設定できます。
レイヤーブレンドに関してはこちらもご覧ください。
https://medibangpaint.com/use/2018/04/layer-blend/
手順③:影の色を決める
「影を付けたいけど、何色を使えばいいかわからない…」などで迷うことって多いですよね。
色の決め方には、セオリーのようなものがあるので理解してしまいましょう!
ポイントは「寒色系なら青色」「暖色系なら赤色」を影の色に設定することです。
下塗りの色に合わせて、影の色を決めましょう!
寒色系とは冷たいイメージの色です。
青色や水色などが寒色系ですね。
暖色系は暖かいイメージの色です。
赤色や黄色などは代表的な暖色系カラーですね。
では、これらの色に影を付けた場合を見てみましょう。
このようなイメージになります!
各円の影を、外周の色で「乗算」にして塗っています。
暖色系なら暖色系で、寒色系なら寒色系で影を塗る、といった具合に同じ系統の色で影を塗るとなじみやすくなります。
また、紫や緑に関しては寒色と暖色の間の中性色といわれています。
このような中性色に関しては、影の色は暖色系でも寒色系でも馴染みますので、どちらの系統を選んでもOKです。もしも迷ってしまうようなら「紫色にする!」と考えると楽だったりもします。
もっというと、どの色に対しても紫色の乗算レイヤーで影を作っておけば、間違いありません。
迷ったら全部紫色で影を塗るのは、全然アリです!
紫色は、どの系統の色にも比較的なじみやすい便利な色なのです。
なお、ここでお伝えした色の決め方はあくまでも一例です。
もちろん、他の方法で色を決めても問題ありません。
迷った際の参考として覚えておいていただければと思います。
手順④:乗算レイヤーを作る
では、影の色が決まったら塗っていきましょう。
その準備として、各レイヤーの上に「乗算」のレイヤーを作りクリッピングします。
レイヤー名を「影」などに変えておくとわかりやすいですよ。
クリッピングについてはこちらもご覧ください。
https://medibangpaint.com/use/2019/09/clipping-function/
手順⑤:仮の光源を決める
影は、物が光をさえぎることによりできるものです。
なので影を描くはじめの準備として、「仮の光源」を決めてみましょう。
なんとなくでもOKです!
慣れていないうちは、実際に光源を描いて目印にしておいてもいいでしょう。
後で消せば大丈夫です。
手順⑥:おおまかに影を塗る
では、影を塗っていきましょう。
あまり細かく考えずに、「このあたりに影ができるかなー」くらいの気持ちで塗ってみましょう。
ここでポイントをお伝えしておきます。
それは、「他の物体からの影」を描くことです。
たとえば、こちらの画像のように2つの物体があるとします。
光源を左上に設定した場合、物体Aの影は物体Bに上に落ちるはずです。
物体Aの影を物体Bに落とすと、このように仕上がります。
これだけで、一気にリアル感が出ますよね!
完成度も高まり、かっこいい仕上がりになります。
今回のイラストでも、物体による影を作りました。
〇の箇所が該当します。
イラストを観察して、細かいところにまで意識を向けてみましょう!
手順⑦:影を整える
ある程度影が描けたら、ここからは影の仕上げ作業に移ります。
具体的には、影の付け方を素材に応じて変化させます。
今回のイラストの場合では、カーディガンやシャツなど異なる素材がいくつかあります。
それぞれの性質に合わせて影の付け方も工夫しましょう。
たとえば、カーディガンは柔らかくシワが大きくなりやすいので、大きく丸っこく柔らかい影を塗ります。
逆にシャツはシワができやすいので、細かいパリッとした影にしましょう。
こんな感じです!
素材によって影の付け方を変えられると、一段とイラストのクオリティが上がりますので、ぜひ意識してみてください。
では、実際にイラストの影を整えていきましょう!
光が当たる箇所を消しゴムで削ったり、光が当たっていない箇所に影を描きこんだりしましょう。
さらに影にも強弱を付けます。
とくに暗くしたい箇所は、もう一段暗い色で塗ると立体感を出せますよ!
続いて、髪の毛の部分のクオリティもアップさせましょう!
全体の影より少し暗い色で影のふちをなぞるように塗っていきます。
また、細い影をところどころに描きこんでいきます。
髪の毛のツヤがより際立ちましたね!
これで影塗りは終わりです!
ついでに、このままイラストとして仕上げちゃいましょう。
手順⑧:仕上げにハイライトを加える
仕上げに、髪の毛やリボンなどのハイライトを塗っていきます。
影の時と同じく、質感を意識しながら塗っていきましょう!
目や顔も、しっかりと仕上げます。
お化粧感覚で塗っちゃいましょう!
きれいにハイライトを加えることができましたね。
以上で完成です!
お疲れさまでした!
影の付け方を練習しよう
「影を付けるのはやっぱり難しい…」と感じた方に向けて、おすすめの練習方法をご紹介します!
デッサンをする
物をよく観察してみましょう。影は、自分自身も含めてあらゆるところにできます。
それを見ながら、簡単なデッサンをしてみましょう。
デッサンだからと言ってまるで写真のようにリアルに描く必要はありませんよ!
難しく考える必要はありません。
「影はこんなところに、こんな風にできるんだなぁ」とだいたい理解できればOKです。
物に光を当てる
物に光を当てて観察することも、いい練習法です。
スマホのライトなどを使って物に光を当ててみましょう。
改めて観察すると、光と影の関係に注目できるはずです!
スマホの角度や距離を変えてみると影の形も変わります。
いろいろなパターンを試してみて、たくさん発見しましょう!
影は光の当て方によって付き方が変わるとご説明しましたが、それを利用して練習用に、箱やボール・ぬいぐるみなど、いろいろな物に光を当ててみましょう。
これらを見ながらイラストを描いてみると、より身に付きやすいですよ!
同じイラストをいろいろな光源パターンで描く
まずひとつイラストを用意します。
ここでは、このイラストを用います。
このイラストに、さまざまな角度から光を当てて影を描いてみましょう!
腕と頭の位置関係や、形を意識してくださいね。
これは正確さというよりは、影の付け方や光の当たり方を考える力を鍛えるものです。
ですが、結構練習にもなりますよ!
真下からなど、あまり見る機会がない位置からの光源も描いてみましょう。
まとめ
メディバンライブラリを使って影の付け方の練習をしてみました。
冒頭でも言ったように、影は絵を描くうえで欠かせない要素です!
ぜひいっぱい練習してみてくださいね。
最後にこの記事のおさらいです!
- 影の色を工夫しよう
- 光源を意識して影を付けよう
- 影と一緒にハイライトを入れよう
影の付け方でおすすめの練習方法はこちら。
- デッサンをする
- 物に光を当てる
- 同じイラストをいろいろな光源パターンで描く
ぱぱっと影を付ける方法を覚えておきたい方は、ぜひ下記記事も参考にしてみてください!
▼【初心者向け】イラストの影の付け方!練習&時短に!イラストの影付けをレイヤー1つでやる方法!
https://medibangpaint.com/use/2023/06/illust-shadow-casting/
(文・絵/つかさん)
Twitter:https://twitter.com/Tsukasan0823
\ 使い方記事の要望を受け付けています /