2022.04.06
画面回転でこんなに違う!迫力のある構図を描こう
皆さんは、いつもどれくらい構図を気にしてイラストを描いているでしょうか?
ネットで調べてもいろいろな構図の取り方があり、難しいですよね。
実はちょっとした「見せ方」を知っているだけで、雰囲気や心情など、狙った効果を出すことができます。
今回は、誰でも今すぐできる構図の取り方で勢いや迫力をUPさせる方法をご紹介します。
実際には動かない静止画に、躍動感を加えてみましょう!
Index
1.構図の違いを検証する
参考になる資料があれば、どういう違いがあるか見比べることも大切です。
下の2枚の画像を見比べて、どちらにより迫力を感じるでしょうか?
多くの方が下の方に迫力を感じると思います。
では、この2枚は構図を比べるとどう違うのでしょう?
一枚の絵を完成させながら、解説していきます。
2.普通の構図で下書き
今回は人のキャラクターを描き上げていきます。
描きたいキャラクターが決まったら、通常の真正面の構図でだいたいのデザインを決めましょう。
画像ではきっちりと線画におこしていますが、ラフスケッチで大丈夫です。
こんな感じでデザインを決めました。
3.表現を決める
次に、このキャラクターを含んだイラストで、表現したいことを考えます。
今回のような人物や建物が静止した場合によく使われる構図のパターンとして、①「俯瞰」と②「煽り」があります。
それぞれ表現できる効果が違いますので、自分の描きたいものがどちらに含まれるのか考えてみましょう。
①俯瞰(見下ろす構図)…
弱気、相手との実力差、背の低さ、現在の位置の高さ、負けず嫌いな性格…etc
②煽り(見上げる構図)…
威圧感、強そうな雰囲気、背の高さ、権力、強い精神力…etc
今回は煽りの構図の方がよさそうです。
先ほどできたデザインを参考にしながら、人物を下から見た構図に描き直します。
4.遠近感で奥行きを出そう
迫力や勢いを感じさせるために、遠近感を使うのもひとつの方法です。
と言ってもあまり難しく考えなくて大丈夫です。
要はメインの部分を一番大きく描く、ということですね。
あえて一番小さく描く、という方法もありますが、メインとの距離を感じてほしいなど、特殊な場合です。
基本的には大きく、目立つように描く方向で考えてください。
まず、メインを何にするのか考えましょう。
これは連想ゲームのように考えるのがいいですね。
あなたが、イラストを見た人に一番伝えたいことはなんですか?
例1:キャラクターの強い意志を伝えたい…
①目力で伝えたい→目、もしくは表情をメインに
②こぶしを握ったポーズで伝えたい→握りこぶしをメインに
例2:スピード感を伝えたい…
①走っているポーズで伝えたい→キャラクターの繰り出した足先をメインに
②新幹線の速さを伝えたい→車両の先端をメインに(この場合、メインを一番小さく描いてもいいと思います)
描き手によって、いろいろな表現が考えられますね。
今回の作例では、
キャラクターの威圧感、不動の精神力を伝えたい…
地に足がついている様子を表現したい→足先と固い地面をメインに
ということにします。
煽りということは決めていたので足元が自然と大きくなりますが、少し足先を強調して描いてみたいと思います。
5.回転で迫力を出す!
それでは下書きを線画にしてみましょう。
イラストに線画をつける場合、ちょっとしたコツで迫力UPができます。
いつもより少し強め、長めのストロークで描くようにしてみてください。
さらに、俯瞰なら上、煽りなら下側の線を太く描くよう心がけると、迫力UP効果があります。
これでも威圧感は感じられますが、ここでひと工夫。
線画のレイヤーを選択した状態で、選択範囲→「変形」を押すと
選択中のレイヤーが四隅に白い四角がある大きな枠で囲われます。
枠の外側にポインターを置いて左右にドラッグ→OKを押すと、レイヤーを回転させることができます。
変形のその他の使い方はコチラ↓
『変形を使いこなそう』
このとき、キャンバスの対角線にキャラクターが乗るようにしてみましょう。
余白が斜めに分断されることになり、画面の圧迫感が増しました。
これは動きのあるイラストの時にも、イラストに変化をつけ、動きの大きさを表現するのに大変効果があります。
3.の部分で、煽り構図で描き直すのは難しい!という方は、「回転」だけを取り入れてみるのもいい方法です。
6.背景でも迫力を足そう
いかがだったでしょうか?
構図を利用して、自分の伝えたいことを強調することができました。
構図は表現するうえでとても大切な要素なので、色々なクリエイターさんの構図の取り方を研究してみましょう。
自分の表現方法が広がりますよ。
最後に、色を入れた背景でも迫力を足してみましょう。
画面の歪みを利用し、遠近感を出し、そして見る人の目線を主役に導く導線の役割も持たせています。
画面を球状に歪ませるメッシュ変形の使い方はコチラ↓
『メッシュ変形でカンタン魚眼レンズ加工』
導線についてはコチラ↓
『集中線の法則!水しぶきを和風の筆で描く方法』
構図の工夫は面倒な手順はいりません。
ぜひ今回の方法を使ってイラストを描いてみてください!
(文・絵/竹内 洋)
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