2023.06.09
イラストにおけるハイライトの入れ方を紹介!ワンランク上のイラストに
「自分の描いたキャラクターを流行りの絵柄に合わせたい」
「周りで流行っているあの絵柄、真似したいんだけどどうやって描いているのか分からない……」
イラストを描いていて、こういった悩みや疑問を持ったことはありませんか?
流行の絵柄は、知らない間に変わっている場合もあり、追いかけていくのはなかなか難しいものです。
pixivやTwitterだけでなく、InstagramやTikTokなどたくさんのSNSにアップされているイラストをチェックすると、流行りの絵柄をリサーチすることができます。
ただ、情報収集に時間をかける時間を少しでも節約して、制作に割り当てたい方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では「簡単に2023年現在の流行りの絵柄に近づけるためのテクニック」をご紹介します!
キーワードは「ハイライト」です!
流行りのリサーチはこの記事で済ませて、制作に時間を費やしちゃってください!
それでは、上のイラストを使って解説していきましょう!
今回は、次の2種類のハイライトの入れ方を解説します。
①鼻上のハイライト
②顔を際立たせるハイライト
Index
イラストにおける鼻上のハイライト
はじめに、キャラクターの鼻の上に置くハイライトの入れ方を解説します。
最近は、鼻の上に三角形のハイライトが入っているイラストをよく見かけますよね。
鼻の上に入れるハイライトには、顔を目立たせる効果があり、キャラクターがより華やかに見えます。
鼻の上にハイライトを入れる場合、まずはハイライトをつけるために肌より明るい色を選びます。
そして、キャラクターの鼻先が一番下の頂点に当たるように、ハイライトの色で逆三角形を描きましょう。
このままでは、あまりにハイライトがはっきりし過ぎているため、下の画像のように描いた三角形の上辺をぼかします。
次に、ハイライトに前髪の影を追加していきます。
顔にかかる前髪によってハイライトと重なるように影ができますので、その影の分のハイライトを削るという工程になります。
上のイラストの髪の毛(青線)を参考にしながら、同じような形(赤線)になるように消しゴムでハイライトの色を消していきます。
顔の影の付け方については、下記の記事も参考にしてください。
▼「視線釘付け!”エモいあの顔の影”の塗り方を伝授!」
https://medibangpaint.com/use/2022/08/facial-shadows/
これで、鼻の上のハイライトは完成です!
鼻の上のハイライトを入れる目的は、キャラクターの顔を映えさせることです。
そのため、光源の位置を厳密に意識しないで入れる場合もあります。
ただ、まったく光源を意識しないと不自然に見えてしまうケースもあります。ハイライトを入れる際は、自分のイラストに合っているかどうかを判断しながら、おかしくならないように調整してみてください。
イラストの顔を際立たせるハイライトの入れ方
次は、イラストのキャラクターの顔を際立たせるハイライトの入れ方を解説します。
先ほどの三角形のハイライトと同様に、キャラクターの側面にハイライトを入れているイラストを見かける機会も多いと思います。
このハイライトには、キャラクターの表情をパッと明るくし、映えるイラストに仕上げる効果があります。
顔を際立たせるためのハイライトを入れる場合は、光源の位置(以下のイラストの黄色の矢印)を意識します。今回は、顔の側面(赤線)と額(青線)に当たる部分にハイライトを塗っていきます。
先ほどの三角形のハイライトと同様に、肌より明るい色でハイライトをつけます。
こちらで完成です。
今回のイラストでは、丸みを出すために顔の内側の部分をぼかしました。
顔を際立たせるハイライトを入れる際は、基本となる以下の3つのポイントに注意してください。
ポイント①:光源の位置
ポイント②:コントラスト
ポイント③:色味
補足としてそれぞれのポイントも解説します。
ポイント①:光源の位置
1つ目のポイントは「光源の位置」です。
鼻の上のハイライトでは、光源はあまり気にしなくても良いと書きましたが、顔の場合は別です。一見きれいにハイライトが入っていたとしても、光源の位置があまりにもバラバラだと美しく見えないため、意識する必要があります。
もちろん、複数の光源が存在していて、さまざまな角度から光が当たっている場合は例外です。ただ注意点として、特殊な光源の設定がない限りは、絵としての説得力が無くなってしまう可能性があります。光源はあまり多く設定せず、2方向程度に収めておくのがおすすめです。
今回のイラストでは、モデルの撮影を想定して、上方と左前方から照明を当てているイメージでハイライトを描きました。
そのため、2本の黄色矢印を光源に設定し、以下の青で囲った箇所が明るくなると考えて、それぞれにハイライトの色を置いています。
部位で説明すると、以下のとおりです。
・頭のてっぺん
・ツインテールの手前側
・前髪から出ているおでこ
・頬の輪郭部分
・左肩
ポイント②:コントラスト
2つ目のポイント「コントラスト」です。
ハイライトの当たっている場所と他の部分にコントラストが生まれているかがポイントです。
そもそもイラストにハイライトを入れるのは、立体感を出したり、情報量を増やしたりするのが目的です。そのため、コントラストをつけてハイライトが当たっていることを見ている人にわかりやすく伝える必要があります。
上のイラストを見比べてみてください。
①のイラストは②よりもコントラストが強くなっています。
コントラストを強くしたほうが、ハイライトを入れた事がわかりやすい印象を受けますよね。
基本的には、ある程度強めのコントラストを入れるほうが、メリハリがついて映えるイラストに仕上がります。
逆に好みや作風によっては、あえて弱めのコントラストを入れるケースもありますので絵柄に合わせた調節も必要です。
ポイント③:色味
3つ目のポイントは「色味」です。
カメラで撮影する際の技法でカラーフィルムというものがあるのをご存じですか?カラーフィルムは、カメラのシャッターの光の部分にフィルムを挟んで、光の色を変える技法です。
イラストにおいては、ハイライトがカラーフィルムの役割も担います。さまざまな色へと変化させることで、イラストの印象に変化を加えられます。
また色といっても、太陽光や蛍光灯の光、カラフルな光など、ハイライトで表現できる色味は自由自在です。背景色や雰囲気にマッチした色味をチョイスしてください。
たとえば、左の画像は今までどおりハイライトを下地の色から少し明度の高い色を置いたものです。
右の画像は左から黄色、右から水色のライトで照らしていると仮定して色を塗ったものです。
右のイラストは、クラブのような場所で、カラフルなライトが当たっているように見えるのではないでしょうか。
色味を変えることで、どんな色のライトが当たっているのかという説明をしなくても絵からストーリーを伝えられます。このように、色味ひとつでシチュエーションの表現をすることが可能です。とくに背景がある絵の場合は大きな効果を発揮します。
ハイライトに色味をつける際は、どこに何色を置くかをよく考えるようにしましょう。
上のイラストでは、顔周りも水色で塗るとくどくなってしまうので、白に近く明度の高い水色を置いています。
また応用として、ハイライトに合わせて周囲の効果を変化させると、さらなるクオリティアップや色味の増幅につなげられます。
例を交えて解説します。
左の画像は黄色、水色でハイライトを塗っただけのものです。
これだけでも、アメコミのようなパッキリとした色使いで、キャッチーな仕上がりになります。
より自然な仕上がりにしたい場合は、右の画像のようにオーバーレイでハイライトの色で上からエアブラシをかけるのがおすすめです。ハイライトの色の光が身体に当たっているように演出できます。
まとめ
今回は、流行りのイラストでよく使われているハイライトの入れ方をご紹介しました。
ハイライトはイラストの印象に大きな影響を与え、見栄えとクオリティのアップにもつながります。
流行りのハイライトを入れる際のポイントは以下のとおりです。
・鼻の上のハイライトは、鼻を下の頂点として逆三角形を描き、前髪の影に合わせて消しゴムで形を調整する。
・顔を際立たせるハイライトは、光源、コントラスト、色味の3点に注意する。
・光源はあまり多くせず、2箇所程度にとどめる。
・背景やシチュエーションに合わせて色味を変えると、より印象的なイラストに。
どちらのハイライトを入れるにしても、難しい技術は不要です。イラストのテイストを大きく変えなくても大丈夫なテクニックなので、誰でもすぐに取り入れられますよ。
ぜひ、この記事を参考にして、普段イラストを描く際にも、ハイライトに挑戦してみてください!
もっとハイライトの入れ方を理解してマスターしたい方は、下記の記事もご覧ください。
▼ハイライトを入れてイラストの完成度を上げよう!
https://medibangpaint.com/use/2022/10/highlight-picture-re/
絵・文/ももんが(https://twitter.com/momongapoketto)
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