2023.09.22
イラストの構図が思いつかない時はランダム線がおすすめ!構図を考えるコツを解説
イラストを描こうとしても、構図が思いつかずに画面の前で固まってしまっているという方も多いのではないでしょうか?
また、イラストの構図がワンパターンになってしまい、悩んでいる方もいるでしょう。
イラストの構図が思いつかない時は「ランダム線」を活用して構図を考えるのがおすすめです!
イラストは、構図によって大きく印象が変わりますので、いつもと違った構図でイラストを描く練習をして行きましょう。
この記事では、ランダム線を使って構図を考える際の流れや構図が思いつかない時の対処法を解説します。
Index
イラストの構図が思いつかない時には「ランダム線」を活用しよう!
ランダム線とは、何も考えずにランダムに引いた線のことを指します。
イラストの構図を考える際に、たとえば、かっこいいと思えるポーズの構図等にワンパターン化してしまうケースがあります。
考えて構図を描くと、どうしても経験上、上手く描けた構図やかっこいいと感じる自分好みの構図になってしまいがちです。
ですので、あえてランダムに線を引くことで、描く構図がワンパターンではなくなるのがランダム線のメリットです。
ランダム線でバストアップのイラストの構図を描く流れ
ここでは、実際にランダム線を活用して、バストアップのイラストの構図を描く流れを解説します。
まずキャンバスを作成し、キャンバスに適当に線をぐちゃぐちゃっと描きます。
描けた線を下書きとしてラフを描いていきます。
具体的な描き方のルールはありません。「この線が、身体のこの部分っぽい!」といった直感で構図に起こしていきます。
まず、真ん中の方にある膨らんだシルエットが体のラインに見えたので、体のラインを描き込みます。
この部分を体のラインとすると、体から右上に伸びている線が腕に見えますので、腕として描き込みます。
後ろの部分の膨らみがフードのように見えたのでフードを描き込みます。
ここまでで、何となく人のポーズが見えてきたので、ここからはランダム線を気にせずに描き込んでいきます。
線を気にせずに、空白の部分にも描き込んでいきます。
今回はフードから雨ガッパを連想したので、雨の日らしいイラストにしようと思います。
紫陽花(あじさい)や水滴を描き足しました!
完成した構図を元に線画を描いていきます。
完成したものがこちらになります。
同じランダム線から、最初は別のラフを描いていました。
体のライン以外は全然違う構図に仕上がっています。
同じランダム線からでも色々な構図を起こせますので、構図を考える練習に最適です。
ランダム線で全身のイラストの構図を描く流れ
続いて、ランダム線を活用して全身のイラストの構図を描く流れを解説します。
まず、ランダム線で線画を描いてみましょう。
ランダムな線から連想された、人っぽいシルエットを描き出しました。
少しポージングを整えます。
空いている部分に背景を描き込みました。
とくにモチーフとしているものがなかったので、図形を散りばめたような背景にしました。
完成した構図を元に線画を描きます。
完成したものがこちらです。
ランダム線でイラストの構図を描く際の2つのコツ
ランダム線でイラストの構図を描く際には、次の2点を意識することがコツとなります。
- シルエットで構図をとらえる
- 線から身体のパーツを直感で連想する
あくまで「構図を考えること」が目的ですので、ランダム線に沿ってない部分や線を無視した部分があっても大丈夫です!
コツ1.シルエットで構図をとらえる
ランダム線は、初めのうちはただのぐちゃぐちゃの線にしか見えないと思いますが、連想されるシルエットを意識することで構図を考える練習になります。
線の重なった部分からパーツとなるシルエットを見出せば、続いてそのシルエットと線から連想されるパーツを組み立てていくことができます。
コツ2.線から身体のパーツを直感で連想する
線の重なりなどから、身体のパーツを直感的に連想するのがコツです。
パッと見て身体のパーツが連想されなかった場合、1つのランダム線に固執せずに新しいランダム線を描いて試してみるのもおすすめです。
身近なアイテムでできるランダム線から構図を考える方法
身近なアイテムを使って、自然なランダム線を作ることが可能です。
ランダム線を手で描いた場合、手癖になってしまい、完全なランダムとは言えないケースがあります。
ランダム線でもワンパターンになってきたなと感じた場合、身近なアイテムから構図を考えるのもおすすめです。
まず、毛糸や有線のイヤホンなど柔らかくて細めの紐を用意します。
絡まない程度にゆるくくしゃくしゃとなるように持ちます。摘んでも良いと思います。
柔らかいタオルやクッションを用意し、そこへ優しく放ります。
そうすると完全にランダムな線ができあがります。
実際に私がやってみた画像がこちらです。
出来上がったランダム線から描いていきます。スマホ等で写真を撮り、下書きレイヤーとして取り込みましょう。
上の部分が帽子とヘッドホンに見えたので、帽子とヘッドホンをつけた頭を描いていきます。
その他、後ろの膨らみがリュックに、前の部分は腕のシルエットに見えたので、このように描き込みました。
完成した構図から線画を描いていきます。
完成したものがこちらになります。
いつもキャラが棒立ちになってしまう!構図が思いつかない際に覚えておくべき4つコツ
ランダム線以外に、構図が思いつかない際に覚えておくと役立つコツをご紹介します。
いつもキャラが棒立ちになってしまう!という方は、こちらのコツを参考にしてみてくださいね。
コツ1.アニメのチラシを参考にする
アニメのチラシやキービジュアルは、インパクトのある構図が採用されているケースが多いため、構図の参考として優秀です。
アニメだけではなく、実写ドラマやCM、ポスター等、構図の参考にできる材料は保存しておきましょう!
コツ2.3Dモデルを活用する
アプリ等で3Dモデルにポーズを取らせて、ポージングから構図を考えるのも1つの方法です。
近年では、無料で使えるスマホのお絵描き用の3Dポージングアプリもありますので、気軽に試しやすいですよね。
また、木製のポージング人形などを1つ持っておくのもよいでしょう。
コツ3.二次創作なら思いつきやすい
完全オリジナルの構図を考えるのが難しくても、二次創作なら構図を思いつきやすいケースがあります。
たとえば、キャラクターの決めポーズや性格に応じた構図など、設定が決まっている二次創作なら構図も思いつきやすいですね。
二次創作を使ったイラストの描き方は以下の記事で解説しています。
https://medibangpaint.com/use/2023/08/cloud-material-use-draw-fun-art/
コツ4.シチュエーションを意識する
構図を考える際には、誰が何をしているのか?というシチュエーションから考えるのもよいでしょう。
たとえば、待ち合わせで恋人を待っている女の子や、音楽を聞きながら歩く男の子など、シチュエーションで構図が連想されます。
キーワードからシチュエーションを連想し、構図を考える練習をするのも良いでしょう。
他の人と構図が被ったらパクリになる?
構図を考える際に気になるのが、他の人と構図が被ってしまうと「パクリ」になるのか?という問題です。
法的に考えると、構図やポーズは基本的には著作権の保護対象とはならないため、仮に構図が他の人と被ってしまっても、法的な責任が発生するリスクは高くありません。
ただし、有名絵師の「構図トレス」によるSNS炎上の例は後を立たないため、参考程度ならよいですが、完全に構図をトレスしたイラストをSNS等にアップするのは避けた方がよいでしょう。
とはいえ、トレスも効率的な練習法ですので、SNS等に「自分が描いた」とアップするのでなければ、練習として構図をトレスするのは有効です。
構図の引き出しが拡がればイラストがより楽しくなる!ランダム線でインスピレーションを受けよう
構図の引き出しが増えれば、イラストの幅も広くなりますので、ますますイラストを描くのが楽しくなります。
構図を考えるのが苦手、いつもワンパターンになってしまうという方は、ランダム線を活用して構図を考える練習をしてみてはいかがでしょうか。
初めのうちは難しいですが、いろいろな構図が描けるのはとても楽しいので、みなさんも是非挑戦してみてください!
(文・絵/SUB)
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