2024.03.15
金属と木材の塗り方の違いを宝箱から学ぶ!実際のステップで塗り分けを覚えよう
木や金属を描き分けて、素材ごとの描き分けの練習をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
異なる素材を同時に描いて、素材ごとの描き分けを意識することは、イラストの上達において非常に効率的な練習方法です。
金属と木材の塗り分けの練習に最適なモチーフが宝箱です!
今回は、宝箱の塗り方の実際のステップから、金属と木材の塗り方の違いを解説します。
Index
木や金属の素材を塗り分けながら宝箱を描くステップを紹介
ファンタジー作品に出てくるようなレトロな宝箱は、木材と金属で構成されており、木や金属等の素材ごとの塗り分けを練習するには最適なモチーフです。
ここでは、4ステップで簡単に宝箱の下塗りまですすめていきます。
- ステップ①:下描きする
- ステップ②:線画を描く
- ステップ③:下塗りする
- ステップ④:各レイヤーを塗っていく
それぞれのステップを詳しく解説していきます。
ステップ①:下描きする
まずは、宝箱を下描きしていきます。
開いたフタから、いっぱいの金貨が見える「お宝感」のある宝箱を描いていきましょう。
ステップ②:線画を描く
宝箱は立方体ですので、立体感を損なわないように描いていきます。
ステップ③:下塗りする
最後に下塗りをしていきます。
今回の宝箱は、大きく分けて次の3つの素材で構成されています。
- 木材
- 宝箱の金属部分(真鍮をイメージしています)
- 金貨
素材ごとの質感の塗り分けは後でおこないますので、下塗りはべた塗りでOKです。宝箱の金属の部分(真鍮<しんちゅう>)と中の金貨が区別できるように色分けをしておきましょう。
【チェックポイント!】素材ごとにレイヤーを分けておくと便利
レイヤーを素材別に分けておくと、作業効率が良くなります。
ステップ④:各レイヤーを塗っていく
それでは、素材ごとに分けたレイヤーを塗っていきましょう。
まずは影から塗ります。宝箱は立方体ですので、立方体にできる影をイメージすると良いでしょう。
光源の位置を決めてから、どこに影ができるかを考え、立体感を意識して塗っていきます。
影を塗る際には、べた塗りで塗るのではなく、フタの丸い部分は柔らかく塗るなど、形状による塗り方の加減も大事です!
金貨部分の影は、いったん全体を影の色で塗ってから削って仕上げていきます。そのため、ここでは、真鍮・金貨のレイヤーの上から、それぞれ影をべた塗りしておけばOKです。
素材の質感を塗り分ける手順
素材の質感を意識しながら、素材ごとに塗り分けていきましょう。
今回の宝箱には、次の3つの素材が使われています。
- 木
- 金
- 真鍮
ここで、素材を描く時に知っておくべきポイントを簡単に紹介します。
真鍮と金は同じ金属ですが、金属の種類が異なりますので塗り分けが必要です。
木を塗る
まずは、木から塗っていきましょう。
最初に木目を描いていきます。
木目は面に対して平行になるように描いていきましょう。
続いてハイライトを入れていきます。
木材の種類にもよりますが、金属に比べると光沢感は少ないため、ハイライトは明るすぎず控えめに塗るのがコツです。
真鍮を塗る
金属の質感を意識しながら、宝箱の本体の真鍮部分を塗っていきます。
使い込まれた宝箱の感じを出すために、ぎらついた感じでなく、暗く落ち着いた質感で塗っていきましょう。
金と真鍮の金属の違いでコントラストを出すことで、金貨の輝きがより際立ちます。
ハイライトも同じように、控えめにフチを塗っていきます。
ここまでで、宝箱部分が完成しました!
金貨を塗る
今回の素材で最も光沢の強い金貨を塗っていきましょう。
全体に塗った影を、金貨の面に光が当たっている感じを意識しながら削っていきます。
金貨なので、丸い面をたくさん作る感じで塗っていきましょう。
続いて、金の質感を描き込んでいきます。積み重なった金の質感は、円柱の形を意識しながら影を描き込むのがコツです。
イラストの情報量が増えると、金貨がたくさんある感じが出ますので、ディテールを細かく描いていきましょう!
光沢のほかに、金貨が積み重なっている表現も描いていきましょう。今回は、金貨1枚1枚の厚みを意識して、フチを描き足しました。
コインがたくさん積み重なったジャラジャラ感が出てきましたね。
最後に金独特の光沢を表現していきます。
金の素材の特長を表現するコツとして、ハイライトはくっきり明るく、コントラストを意識して塗るようにしましょう。
金の輝きでまぶしさを感じるイメージが理想的です!
全体の色味を調整する
最後に全体の色味などを調整します。
3種類の素材の違いをしっかり塗り分けることができましたね!
素材を塗り分ける際の注意点
素材を塗り分ける際には、素材ごとの質感を意識するようにしましょう。
今回、塗り分けた素材ごとの注意点をまとめます。
木材 | ハイライトは控えめに明るすぎず |
真鍮 | 鈍い光沢感を演出するためにハイライトはぼかしてかける |
金 | ギラギラした光沢感を演出するためにハイライトは明るく |
木材は、金属のような光沢がないため、あまり強めにハイライトをかけすぎないように注意しましょう。ただし、ニスを塗ったテーブルの表面など、同じ木材でも塗装がしてあるものは質感の表現が異なります。
また、金属には光沢がありますので、木材よりもハイライトを強めにかけていきますが、真鍮と金のように金属の種類によっても光沢の程度が変わりますので注意が必要です。
形状別の金属の塗り方
金属の塗り方は、形状によっても異なります。形状別の金属の塗り方のポイントをまとめます。
円柱 |
|
立方体 |
|
球体 |
|
このように、同じ素材の金属を塗る場合でも、金属の形状によって塗り方が異なります。
とくに、曲面と平面では光や影の当たり方が変わりますので、写真等を参考にして形状ごとの塗り分けをマスターしましょう。
金属と木材の質感の違いによる塗り方に注目!金属の種類によっても塗り方が変わる
宝箱には木材や異なる素材の金属で構成されていますので、木と金属・さらに二つの金属の描き分けと、塗りの練習には最適なモチーフです。
とくに、木材と金属では光沢の有無により、ハイライトやシャドウの入れ方が異なりますので、素材別の塗り方を繰り返し練習しておきましょう。
素材別の塗り方をマスターすれば、イラストの引き出しの幅も広くなりますね!
(文・絵/つかさん)
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