2021.02.26
男女の描き分け(その⑤ 体のディテール)
男女の体を描き分けるとき、たとえば筋肉や骨、性差のある部位。
からだ全体に対して細かい部分のこだわり。
それらを描くことはとても重要です……が、
ではそれを”より効果的”に描くには?
今回はそういった内容になります。
さて、はじめに結論を言いますが、「ディテール(細かい情報の表現)」を描く時に注意すべき問題は、「周りと調和しているか」どうかです。
上図の問題点は、描かれたディテールが、その部分の周りから浮いてしまっていることです。
これでは全体を見渡した時、一目でイビツな絵だとわかります。
それでは、これらの絵の添削例を男女別に見てみましょう。
まずはもっとも男女の性差がわかりやすい「胸部」のディテール
次に、意外とはっきり形の差がある「尻(臀部)」のディテール
男女の差を表現する上でこだわりたい「手」のディテール
その線は…はたして筋肉の、骨の、皮膚の何を表現していますか?
膨らみか凹みか、それともただの模様か?
根拠を持って描くことを心がけましょう
そして添削例を見た時、ディテールを「体の内側の線」だけで表現していないことがおわかりになるでしょう。
性差のある骨格・筋肉・贅肉を表現した線の周りには必ず、「その線に対応した凹凸」があります。
体の内側に線を描き足すだけでは、「周りと調和」せず、その線にディテール表現としての「意味」が持たせられないからです。
よって男女ともに、ディテールを増やすほど「体のシルエット」が確実に変わります。
そのことを踏まえて例を見直してみましょう。
このようにディテールを効果的に描くには、内側の線の描き込みだけでなく、前回に話したシルエットも重要になってきますので、前回の記事を未読のかたはぜひご覧ください。
前回の記事▶︎男女の描き分け(その④ 体のシルエット)
ディテール表現を駆使した描き分けは、男女の性差だけにとどまりません。
下図のように”年齢”もディテールを駆使して表現できます。
線を多く描き込む、もしくは減らす、シルエットを複雑にする、整える。
いろんなパターンをマスターして、ぜひとも表現の幅を広げたいですね。
お疲れさまでした。
からだの描き方は顔と同じくらい、千差万別で難解なのですが、押さえるべきポイントさえ守れば、自由に楽しく描けるようになるはずです。
次回は、いままでの「男女の描き分け表現」すべてをより有効に引き立たせる要素。
「ポーズ・しぐさ」を解説いたします。
ぜひ最後までお付き合いください♪
(文・絵/飴ノ山)
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『男女の描き分け(その① 顔のパーツ)』
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