「アンチエイリアス」は描いた線のフチを僅かにボカして、なめらかな線に見えるよう変換するといった、ペン・図形・選択範囲などあらゆる描画ツールに付加できる機能です。

ではこれを使用したら何が変わるのか、見比べてみましょう。



この機能ですが ”使うべき人” と ”切るべき人” がいます。
両者にはどんな違いがあるのかご存知でしょうか?

”切るべき人”は、モノクロ2階調のイラスト・漫画を紙媒体(同人誌など)で発表する人です。

”使うべき人”は、ざっくりと分けてしまいますが、それ以外のほぼ全ての人です。

メディバンペイントは初期設定で「アンチエイリアス」機能が全ての描画ツールでON状態になっていますが、それはこういった”モノクロ2階調”という限定的な用途でしかOFFにするべきではないからなのでしょう。

では何故、モノクロ2階調の絵ではOFFにすべきかをご説明しましょう。
その理由の多くは「絵を紙に印刷するから」ということに由来します。

アンチエイリアスによって、線がなめらかになりフチが少しボケますが、その「ボカシ」というグレー表現は2階調の印刷にとって大問題です。
なぜなら「白と黒」の2色で出力される印刷物には「グレー」という概念が存在しないから。
制作段階のモニター上では正しく見えていても、実際に紙になってみると想定していなかった線が描かれてしまう、もしくは消えてしまうといったトラブルが起こるのです。

大きく分けて2つの問題があります。

●モアレが発生する
スクリーントーンや集中線など、細かい点や線が密集した場所にアンチエイリアスの線が混ざると、のように幾何学模様が印刷物に発生します。
特殊な表現として故意に作ることもありますが、多くの場合で好ましくないとされています。

●イメージした線より細くなる、線が消える
アンチエイリアスによってできる薄いグレー、濃いグレー、それらは不確実なデータとして印刷に反映されないことがあります。
するとのように、実際のデータと差異のある絵になって印刷されてしまいます。

さらに言うと、アンチエイリアスは不可逆(元に戻せない)機能なので、あらかじめ切るのを忘れたまま作品を仕上げてしまった後、こういった問題に直面すると、簡単に対処できないのが厳しいところです。

ですので、モノクロ2階調で発表する作品を描くときは、全てのツールがちゃんとアンチエイリアスOFF状態であることを確認しましょう。

『アンチエイリアス機能を、切るべき人とは?』いかがでしたか。

文字どおり、この機能を切るべき人に対しての記事内容になりました。
しかし、カラーイラストを中心に描く人であっても、知っていて使うのと知らずに使うのとでは全く違います。
上記のようなトラブルにあわないためにも、是非覚えておいてもらいたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました♪

(文・絵/飴ノ山)