顔のパーツ・輪郭による男女の描き分けをマスターした後、しばらく描いているとアナタにはこういう不満が生まれるかもしれません。
「私(俺)の絵って…似たような美男美女ばかりだなぁ…」

描き始めのうちは顔の整った美男美女ばかり描いていても楽しくて、気になりませんが、しだいに表現の限界が見えてきます。
そこで今回ご紹介するのはいわゆる脇役、歌舞伎用語で言う「三枚目キャラ」などに位置するキャラクターを描くための技術です。

ですが、じつのところ「三枚目キャラ」は、アナタが描きたい顔のイメージに、いままでご紹介した「顔のパーツ・輪郭」による描き分け方法をちゃんと適用するだけで、十分に男女の違いを描くことが可能なのです。


上図の作例を見てください。
美男美女に比べ多くのパーツ・輪郭の変えパターンがあり、はるかに自由度が高いですね。
しかし押さえるべきポイントを分かっていれば、それほど複雑に考えることはありません。
前回、前々回でご紹介した描き分けポイントを活用して説明していきます。

▼前回の記事はこちら▼
男女の描き分け(その② 顔の輪郭)

▼前々回の記事はこちら▼
男女の描き分け(その① 顔のパーツ)

まずは男性からです。


普通の男性の顔を徐々に変化させていきます。
一例として「体格の良いガテン系のおじさん」を目指します。
普通の青年を体格のいい男性に変えるために、男性的な特徴を強くします。

では「直線的な描線」を念頭において、始めましょう。

まずアゴを大きくしました。
アゴの線の中点が顔の正中線の上を通るように描きましょう。
アゴに合わせて口と首の幅も大きく調整します。

次は目元です。三白眼に描きなおし、眉の位置を下げます。
眉毛もよりはっきり描くと男らしくなります。

最後にディテールを足していきます。
小ジワや浮き出た骨を細い線で描いて年齢を表現します。
中でも頬骨の表現は、特に印象をガラッと変えるので覚えておくと便利です。

完成です!

次に女性です。


一例として「意地悪そうな小姑風のおばさん」を目指します。
普通の女性にキツく性悪な印象を加えるには、女性的な特徴を弱めます。
ですがやりすぎると男性感が出てしまうので「曲線的な描線」は必ず念頭におきましょう。

まずアゴを少しだけ前に出しました。
女性はこれだけでかなり印象が変わります。
口の形は性格のイメージに合わせて急角度にしました。

鼻の周りを描き直します。
魔女鼻のイメージです。
鼻翼や鼻すじをはっきり描くと大きく印象が変えられます。
目は意地悪っぽく伏し目がちです。

最後にディテールを調整します。
小ジワなど細かい線を描き足します
ついでに耳たぶを大きくして高齢っぽくしました。

完成です!

このように顔パーツの調整、輪郭線の工夫などで十分に、三枚目の男女を表現することができます。
もちろん「その①」で説明したようにあえて異性の特徴を加えて中性的な人物にしたりと、さらに表現の幅を増やすことも可能です。

こういった「整っていない顔」の表現は上図に描いたものだけでなく”無数に”存在するので、好みの漫画やラノベ、ゲームなどのキャラクターからアイデアを拝借して、いろいろ自分の絵で試してみてください。

「三枚目な男女の描き分け」いかがでしたか。
次回からは「体」による男女の描き分けをご紹介しようと思います。
全身を自信を持って描けるようになるとキャラクター創作はもっと楽しく自由になります。
ぜひ最後までお付き合いください♪

(文・絵/飴ノ山)