WEB上に作品を発表したり、同人誌を作ったり、漫画の制作を楽しんでいますか?
中には将来プロを目指している方も!
自分で漫画を描いていると、「なんだか読みにくいな…」「画力は上がってきたけど、漫画としてなんだかイマイチ…」という壁に当たることがあると思います。
漫画をもっと読みやすく、伝わりやすくするコツをいくつかご紹介します!
漫画制作を始めたばかりの方、何かひとつでも取り入れていただけると嬉しいです。

①コマ数が多すぎる

こちらのコマ割りを見てください。
コマが多すぎて、とても読みづらくなっています。
また、どういう順番で読んだらいいか迷ってしまいます。
漫画を描く上で、「読み手にコマの順番を迷わせない」というのは画力以前の最も基本的かつ重要なことです。

一般的なストーリー漫画は、右上から始まり、右→左、次に下段に移り、また右→左と逆Zの形で読んでいきます。
演出で、縦長の大ゴマを使う時は、Nの形で読んでいきます
この視線の流れに沿うようにコマ配置していきましょう。

・コマ数は1段につき最大3つぐらいまで
→これを超えるととてもごちゃつきます。
また、小さなコマを多用するのもあまり良くありません。
ページ全体を通して、「上段に小さなコマを使ったから、下段は大きくしよう」などバランスを取るようにしましょう。

・上下のコマを揃えない
→読み進める方向がわからなくなります。
大きさや高さが揃っている方向に視線が誘導されるので、逆Z配置の時は、上下ではなく、左右のコマの高さを合わせましょう。

・コマとコマの隙間の幅を変えよう
コマとコマの間の幅が狭い方に視線が誘導されます。
連続したシーンではコマとコマの間隔を狭くし、場面を切り替えたい時は広くしましょう。

 

②断ち切りコマ、変形コマは乱用しない

「断ち切りコマ」とは、漫画原稿用紙の基準枠からはみ出したコマのこと。
断ち切りゴマは、枠外に大きくスペースを取れるため、絵をより大きく見せたり、抜け感を演出できます。

「変形コマ」とは、四角形以外の形のコマのことです。
コマを斜めにしたり、傾けたりすると動きを演出できます。
スポーツやアクションシーンに効果的です。


ついたくさん使ってしまいたくなるのですが(私もそうです…)
基本は基本枠内におさめるのが読みやすさのコツです。
断ち切りゴマは1ページにつき1〜2箇所ほどに留めておくと、基本枠とのメリハリもつき効果的です。
特に同人誌として印刷する場合、断ち切りゴマが多いと、本の形になった時に読みづらくなります。
PCやタブレットの画面で原稿を見ている状態では、基本枠内に収めると何か寂しい・物足りない感じがしてしまいますが、本になるとちょうどいいです。
グッとこらえましょう。
変形ゴマも同様です。
多用すると読みづらくなるので、ここぞというシーンに使いましょう。

 

③台詞の量を考え直そう



この2つの漫画、同じシーンで、台詞も同じニュアンスですが、文字の量が少ない2枚目の方が画面がスッキリしたと思いませんか?
説明したい事項が多いと、台詞が長くなってしまいがちですが、一度「この台詞は本当に必要か?」を考えてみましょう。
吹き出し外に補足的に手書きしたり、擬音の描き文字でカバーするのもおすすめです。

また、一つの吹き出しの中も、3行ぐらいまでに留めると良いです。
これ以上になると読み手が台詞を追うのが苦痛になります。
説明パートなどでどうしても長文の台詞が必要な時は、吹き出しを2段に分けましょう。

文字で説明しなくても、絵を見て読み手が察してくれることも多いです。
言い回しを変えて文字量を減らすこともできます。

 

④「引き」の絵と「寄り」の絵

いわゆる「顔漫画」になってしまうとお悩みの方は多いと思います。
「引き」と「寄り」を意識してみましょう。

「引き」は、背景や、登場人物の全身が入った絵です。
今どんな状況なのか、周りの環境はどうかなどを客観的な視点で表すことができます。

「寄り」は、顔や体のパーツのアップ、バストアップの絵です。
登場人物の気持ちや表情をより鮮明に演出します。

顔漫画はこの「寄り」のアングルばかりの状態で、顔は良く見えるけど単調で、周りの状況も変わらないので場面に説得力が出ません。
「引き」の絵での状況説明を挟みましょう。

「全身の絵や背景がうまく描けないよ…」という方、1ページのうち1コマでも背景を入れてみる、背景が難しければ小物の絵やトーンを挟んでみる、など、顔以外の要素を1つでも入れると漫画らしさが出てきますよ。

 

⑤「決めゴマ」で魅せよう


お話を考える時に、「この漫画で特に見て欲しいのはここ!」という場面が一つはあると思います。
頭の中では山場が決まっているのに、いざ漫画にした時にそれが活かされないともったいないですよね。
ここぞという山場のシーン=決めゴマを大胆に作りましょう!
ページの半分以上を使って断ち切りで大きく描く、なんなら1ページ丸々使っても良いです。
同人誌の場合思い切って見開きにしてもいいですね。
自分が思っているよりも大胆に決めゴマを作ると、読み手を惹きつける魅力がUPします。
また、決めゴマの前後のコマをあえて小さくするのも、対比が出て効果的です。

 

⑥吹き出しを見直そう

細かな点ですが、吹き出しの配置も読みやすさのポイントです。

・吹き出しの高さに注意

2人の人物が話をしています。
①→②→③の順で本来読んで欲しいのですが、左の方は②の吹き出しに真っ先に目がいってしまいませんか?
これは②の吹き出しが1番高く配置されてしまっているからです。
右から順に読んでもらいたい時、右隣の吹き出しの高さを超えない、というのを心がけましょう。
これを気を付けるだけで読み順を迷うことがなくなります。

・ツノはついていますか?

吹き出しにつける三角形のツノ。
話している人の方に向けることで、誰の台詞なのか明確にするためのことです。
無くても文脈から誰の台詞か想像することはできますが、特に複数の人が話をしているシーンでは、ツノでしっかりと表現した方が読みやすいです。
また、ツノを外向きに付けたり、内側に付けたりすることで、画面外の人の台詞だということを演出することもできます。
ツノの長さで、話している人との距離を表したりすることもできますよ。

 

⑦描き文字をマスターしよう

台詞外の文字「描き文字」も、読みやすい、面白い漫画にとても重要な要素です。
描き文字には2つ種類があります。

・吹き出し外だけど大事なこと言ってる「サブ台詞」

こちらの2枚、左は全部吹き出しに台詞を入れていますが、右は一部を描き文字として吹き出しの外に書いています。
一部を描き文字にすることによって、吹き出し内の台詞量が減るのと、描き文字の装飾効果で華やかになります。
また、「いよいよ今日は本番」という大事な情報も強調できます。
描き文字のサブ台詞は、さりげない小ネタや心情を入れるのに最適です。
こなれて見えるのでぜひ取り入れてください。
ただしやりすぎは禁物です。

・擬音を表す描き文字

音を表す描き文字。
あるのとないのとでは雲泥の差です。
ただペンで描くのではなく、形や大きさを変えることでより効果的な演出ができます。

描き方は無限にあるのですが、場面に合わせた線選びをしましょう。
シュッ!サッ!など鋭い音は鋭い線、ぽわ〜ん、ふわふわ〜などは丸く柔らかい線などです。
また最近のトレンドとして、文字の中にトーンを貼る、文字の中に絵を入れる方法がよく見られます。
場面をより際立たせる素敵な演出ですね。
描き文字にも流行があるので、好きな作家さん、読みやすいと思った漫画で使われている描き文字はどんな感じか、読んで研究してみると良いでしょう。

読みやすい漫画を作るテクニックを一部紹介しました。
漫画制作ビギナーの方、ぜひ参考にしてみてください。

(文・絵/はらなおこ)
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