2023.02.24
冬のふわふわファーの描き方
今回は、冬のファーアイテムの描き方を画像付きで解説します!
描くのは「ティペット」です。もこもこフワフワしたとても可愛いアイテムで、イラストに取り入れるととても可愛い仕上がりになります。
この手法を覚えたら毛足の長い装飾や動物なども描けるので、ぜひ可愛いファーの描き方に挑戦してみてください!
Index
作業フローの整理
今回のファーアイテムの描き方は、細かな作業が多くなります。描いていくうちにどんどんと質感が変わっていくので、その過程も楽しみましょう。
作業フローは以下のとおりです。
- ファーアイテムの用意
- 毛の質感描き
- 影入れ+影の質感出し
- ハイライト入れ
特に影は複数回にわたって入れていくので、重要な工程となります。一つひとつの作業を丁寧に行なっていきましょう。
描くファーアイテムを用意する
まずはファーアイテムを用意しましょう。
今回描くティペットには色々な形状がありますが、この様な穴に差し込むタイプのものをモデルとしてみました!
線画にするとこのようなイラストです。
この時、ティペットの線画は別にしておきましょう。
バケツツールを使用して、着色したいカラーで塗りつぶします。この下塗り作業が全ての作業の基礎となるため、丁寧に行いましょう。
レイヤー構成です。ティペットの線画がほかの線画よりも上に来るように作成しましょう。
ファーらしい毛の質感を描く
次は、ファーの毛の質感を出す作業です。この作業を行うと、まだツルッとした状態のイラストに少しずつ毛並みが現れていき、モフモフした質感が出てきます。
線画レイヤーの透明度を落とします。
するとこのようになります。
ブラシツールは「指先」を選択します。
薄く見えている線画を目安に、「指先」ブラシで引っ張る様に毛足を作っていきます。
この時、線画を薄くしていないと目安がなくなり引っ張っていく内に形が崩れてしまいます。目安の線は表示した状態で描き進めるようにしましょう。
アップにするとこのようになります。
レイヤーの隣にある丸をクリックして線画を非表示の状態にします。
可愛くて暖かそうなモフモフになりました!
ファーに大まかな影を描く
ファーの描き方で重要になるのが「影」です。ファーの質感にも関わるポイントなので、しっかりマスターしましょう。繰り返し影を入れることになるため、集中して臨んでください。
まず、下塗りレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、クリッピングします。
クリッピングについては、こちらをご覧ください。
▼クリッピングとは
ブラシは「エアブラシ」を選択します。
今回はファーアイテムを淡いベージュにするので、影の色は明るめのブラウンにします。
描く物の色に合わせて、影の色を調節しましょう。
線画レイヤーを先程の透明度のまま表示します。
線画を参考にしながら、大きくへこんでいるところや、重なっているところにフワッと大まかに影を入れていきます。
この時、「エアブラシ」を入れすぎてしまった箇所などは「消しゴム(ソフト)」を使用してフワッと消していきましょう。
通常の「消しゴム」を使用すると、ファーのフワフワした質感が消えてしまいます。柔らかな雰囲気を残すために、通常ではなく「ソフト」の方を使用しましょう。
線画を非表示にしてみましょう。
すると、少し不自然な感じはありますが、ファーの質感が徐々に出始めてティペットの形が見えてきました!
ファーの影の質感を描く
このままでもフワッとした質感でよいのですが、毛足の長さを出して更に上質感を出したいので、影にも質感を入れていきます。こうするとより毛足が強調され、本物らしい雰囲気が出ます。
ブラシは「指先」を選択しましょう。
ここからの作業は、ティペットの質感を出す要領と同じです。
作成した影の毛を引っ張る様に毛足を作っていきましょう。
最終調整を加えるため、この時点では大まかな描き方で問題ありません。
ファーに影を足す
影を付け足して、本物のファーらしく仕上げます。
新しく上に新規レイヤーを作成し、クリッピングします。
ブラシは「水彩」を選択します。
先ほどと同様の色でティペットのしわを描いていきます。
この作業の後に質感を出していくので、細かな描き方にはこだわらなくても問題ありません。水彩筆は対象物を優しく発色させる特徴があるため、フワッとしたベースを崩さないようにどんどん描いていきます。描き方のポイントは、ベタっと筆を置かずに、力を抜いてフワフワ~~っと動かすことです。
足した影の質感を出す
足した影も質感を出していきます。最初に入れた影の部分と質感を揃えることで、よりくっきりとした影が作れます。
ここでのブラシツールは、「消しゴム(ソフト)」と通常の「消しゴム」の2つで描いていきます。
実物を見るとわかるのですが、ファーアイテムにはしわの境目のパキッと色が分かれている箇所や、丸まってフワッと色別れしている箇所があります。これらを上手に差別化するために、2つのツールを使って描きましょう。
ツールの切り替えにはショートカットが便利です。マウスやトラックパッドで操作せずとも次の動作ができるため、覚えておくと効率よく作業を進められますよ。
消しゴムはEキーがショートカットキーです。「消しゴム(ソフト)」を選択したまま「消しゴム」に切り替えたい時に【E】をクリックすると、ツールを切り替えられます。
ショートカットについては、こちらをご確認ください。
▼ショートカットとは
下の画像がフワッと消しているところと、パキッと消しているところの違いになります。
毛並みがふんわりとしているところと、はっきりしているところがありますね。これができていれば、上手に差別化できているといえます。影がたまっているところも「消しゴム(ソフト)」で消していくと、質感が増してよりフワっとした仕上がりになります。
消していく内に足りない影の箇所も見えてくるので、足りない部分は影を書き足していきましょう。
今回は丸印の箇所を書き足しました。
ファーにさらに影を加える
先程までの作業の繰り返しです。さらに影を足して、より質感を出していきます。
新規レイヤーを作成し、クリッピングします。
使うブラシは「水彩」です。
色は影よりも少し暗い優しめのベージュを選択します。
力を抜いて影を少しだけ描いていきます。
ティペットなどの優しいファーを表現する際は、あまり影を入れ過ぎてしまうとイラスト全体の色味が濃くなってしまいます。ティペットが持つ柔らかくて儚い印象から遠くなってしまうので、布が重なっているのが分かる程度に入れていきます。
線状に描くのではなく、草むらを描くように力を抜いて筆を進めていきましょう。
仕上げのハイライトを入れる
上に新規レイヤーを作成し、クリッピングします。
使うブラシは「水彩」と「鉛筆」です。
「消しゴム」と「消しゴム(ソフト)」を使った時と同様、パキッとした色の違いや、フワッとしているところを差別化するため、2つのツールを駆使しましょう。
水彩と鉛筆を使うことで、光が協調されてフワフワとした質感が生まれ、冬のキラキラとした雰囲気も表すことができます。
仕上げの工程なので、自由な描き方で楽しくキラキラフワフワさせていきましょう!
こちらで完成です!!
まとめ
今回は、ふわふわファーアイテムの描き方を紹介しました。改めて作業フローを整理しましょう。
- ファーアイテムの用意
- 毛の質感描き
- 影入れ+影の質感出し
- ハイライト入れ
ファーは毛の質感が重要になります。毛足を引っ張って影を足す作業の繰り返しとなり、根気強く進めていく必要がありますが、よりリアルな雰囲気をまとったイラストができあがるので、ぜひ覚えてほしい描き方です。アイテムを色々と組み足して、冬にしか描けないものをたくさん描いて楽しんでみましょう。
最後に、背景を夜っぽくして、前回の【リボンの描き方】で描いたものを足してみました!
フェミニンな冬のアイテムの完成です!ぜひイラストづくりの参考にしてください。
(文・絵/アニー)
Twitter:https://twitter.com/annie_pinkpom
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