2020.11.09
【初心者向け】横顔の描き方を学ぼう!
今回は『横顔』の描き方についてお話しします!
「『横顔』を描くのって難しい……」と思っている方は多いのではないでしょうか。
イラストや漫画を描くうえで欠かせない横顔。上手に描けるようになると表現の幅も広がりますよね。でも、「正面顔は描けるのに、横顔になると上手くいかない……」「せっかく描いたのに、なんだかバランスが悪い」と悩んでしまうものです。
この記事では、イラスト初心者の方向けに、横顔の描き方でよくやりがちな失敗と改善方法、正しい横顔の描き方を紹介します。一見難しそうな横顔も、ポイントを押さえるとバランスよく描けるようになるので、ぜひ実践してみてください。
Index
横顔でよくある失敗例から正しい描き方を学ぼう!
横顔を描くと、いつもどこか変になってしまうと悩んでいる方は、もしかすると正しい描き方や、描くときの注意点をうまく押さえられていないのかもしれません。よくある失敗から改善点を知って、納得のいく横顔が描けるようになりましょう!
まずは、こちらのイラストを見てください。
頑張って描いたのは伝わりますが、う~ん……改善の余地がありそうです。この横顔には、大きく4つの問題点があります。
①目が「正面顔」と同じ描き方になっている
②耳の位置が離れすぎている
③口が「正面顔」と同じ描き方になっている
④あごが前に突き出ている
1.目が「正面顔」のまま
1つ目のおかしなところは、目が「正面顔」のままになっている点です。顔が横を向いているのだから、必然的に目は正面のときの半分しか見えなくなるはずです。ですがこのイラストでは、正面顔と同じ目の描き方をしています。ですから、見たときになんだかちぐはぐな印象になってしまうのです。横顔のイラストを描く際には、目の描き方も変えていかなければなりません。
横顔で目を描くときのイメージは、「>」「<」のような形です。
瞳は横から見ると完全な球体ではなく、長細い楕円になります。
自分が思っているよりも、思い切って瞳の厚さを薄くしてみると良いかもしれません。
また、上まつげを太く(濃く)、下まつげを薄く(絵柄によっては省略してみてもOK)すると、さらに見栄えが良くなりますよ♪
目は、描き方でイラストの個性が出しやすいポイントなので、自分らしいスタイルを見つけてみてください!
2.耳の位置がおかしい
2つ目は、耳が顔から離れすぎていて、位置が高すぎる点です。耳が後頭部に寄ってしまうと、エラが張って見えたり、顔が大きくなりすぎたりしてしまいます。耳の位置は、ちょうど顔の中央付近(の少し外側)。そして目と並行です。
正面の顔を描く回の記事でも、耳は目と並行とお伝えしましたが、横顔になっても位置関係は変わらないと覚えておきましょう!
▼正面の顔を描く回の記事はこちら▼
【初心者向け】顔のバランスの取り方&基本のアタリの取り方を学ぼう!
3.口が「正面顔」のまま
3つ目は、口も正面顔のままになっている点です。唇の輪郭まではよく描けているのですが、口の部分が正面顔と同じになってしまっているので、こちらもちぐはぐな印象になってしまっています。口も目と同様、横顔では半分しか見えないはずなので、正面顔のときよりも短く描かないといけません。
どんな表情にするかで口の形はさまざまに変わりますが、半分しか見えないということを頭に置いて描くようにしましょう!
4.あごが前に突き出ている
4つ目は、あごが前に出すぎている点です。修正イラストと見比べるとよくわかると思いますが、最初のイラストだと、あごが唇のラインと同じくらいまで出ているので、しゃくれているように見えてしまっていました。
横顔を描くときは、「鼻~唇~あご」を結んだ線が斜めになるようにすると綺麗に収まります。この斜めのラインは「Eライン」といわれ、自然な横顔を描くポイントの一つです。
上記の4つポイントを修正した横顔です↑
最初と比べて、かなり改善されました!
正しい横顔の描き方を知っていれば、いちいち修正をしなくても、上手な横顔が描けるようになります。次は、正しい横顔の描き方の順序を学んでいきましょう!
正しい横顔の描き方の順序を学ぼう!
それでは、実際に横顔を描いていきましょう!ここからは、正しい横顔の描き方を次の8つの手順にわけてご紹介します。
1、円を描く
2、円に十字の線を引く
3、口元~あごの枠を描く
4、目の位置を決める
5、耳の位置を決める
6、あごの位置を決める
7、輪郭を描く
8、髪を描く
1、円を描く
さっそく、アタリをとって横顔を描いてみましょう!横顔も正面顔と同じく、まずはアタリをとることが重要です。
アタリはキレイな正円を描くように。ここでいびつな円を描いてしまうと、最終的な出来栄えにかかわってきます。線がゆがまないように注意しながら、きちんと正円が描けるようにしてください。
2、円の中央に十字の線を引く
円ができたら、中央に十字の線を描きましょう。この辺りは正面顔を描くときの方法と同じです。
このとき、十字の部分がきちんと円の真ん中に来ていなければなりません。はじめに、円をヨコに2等分する線を描き、さらに、タテに2等分するラインを引きましょう。
アタリの線の詳しい引き方については、正面顔の記事を参考にしてみてください。
▼正面顔を描く基本の記事はこちら▼
正面顔を描いてみよう!~基本編~
3、口元~あごの基準となる枠を描く
2のステップで描いた十字の縦の線を少し伸ばしたところと、横の線を結ぶようにして長方形を描きましょう。
この長方形のなかには、口元からあごにかけての部分が収まります。あまり長くし過ぎるとあごの長い輪郭になってしまうため、縦の長さと全体のバランスには十分注意してください。
4、目の基準線を入れ、位置を決める
目の位置を決めて基準線を描きます。目は人物を描くうえでとても大切なポイント。目の位置によって、描きたい人物の年齢やタッチが変わってきます。
たとえば、上のイラストを見てください↑
目の位置が低いほど、幼くて女性的な印象に、高いほど、大人で男性的な印象を与えます。目の位置が違えば当然、鼻や口、あごの位置や輪郭そのものも変わってきます。描きたい人物の年齢や性別、イメージに合わせて、目の位置を変えるようにしましょう。
5、耳の位置を決める
次は耳の位置を決めましょう。ここでおさらいです。横顔を描くときの耳の位置は、目と並行、かつ、円の中心よりもやや外側に描きます。
こうしないと、先ほど述べたように顔がやたら大きく見えたり、エラが張っていたりするような印象を与えてしまうことになるので、注意してください。
6、あごの位置を決める
重要パーツである目と耳の場所が決まったら、次はあごの位置を決めていきましょう。ここでもおさらいです。先ほど説明した通り、あごを描くときはEラインを意識してください。「鼻~唇~あご」を結んだラインが斜め一直線になっていると、横顔が整って見え、キレイな印象を与えることができます。
また、あごの大きさや位置も、人物の年齢や性別により違いが出てくるポイントです。あごが小さいほど幼く女性的、大きくしっかりしているほど大人で男性的になります。
今回のイラストでは、女性を描くため、あごは小さめにしましたが、男性を描くのであれば、もっと大きくがっしりしたあごにしても良いでしょう。
7、輪郭を描いていく
輪郭の線を入れ、アタリに沿って各パーツを描いていきましょう。輪郭を描くときの注意点は次の3つです。
1、目の前はくぼませる
横顔では、目の部分の輪郭を少しくぼませます。鼻の上側がおでこまで一直線にならないように注意しましょう。
2、鼻からあごにかけてはギザギザのイメージで
「鼻~唇~あご」のEラインは難しそうに感じますが、ギザギザをイメージして描けば見栄えよく仕上がります。ポイントは「大きく描きすぎない」です。唇やあごは、鼻の半分以下の高さで描くと良いでしょう。
個性が出るあごは、幼い人物の場合、先端をとがらせると良いでしょう。成人男性・リアル寄りの人物の場合は、あごに厚みをもたせるとそれらしくなります。
3、首はななめ下方向に
横顔を描くときのコツとして、首は少しななめ下方向に描きましょう。正面顔のように垂直にすると、なんだか強張ったようなかたい印象を与えてしまいます。
8、髪を描く
横顔の髪は、頭にウィッグをかぶせるようなイメージで描きましょう。
髪を描くポイントは次の2つです。
1、はじめに、つむじの位置を決めます。つむじを基点にして、下に向かって流れるようなイメージで髪を描いていきましょう。
2、前髪はおでこに乗っているようなイメージで少し厚みをもたせます。ふんわりとボリュームをつけるように描いてください。
髪を描き終えたら、ついに人物の横顔イラストの完成です!
いかがでしたか?
たしかに難しいイラストかもしれませんが、描けるようになると、とても楽しいのが横顔です!
基本的な顔の構造は同じですが、目指す絵柄によってさまざまな描き方・デフォルメの仕方などがあり、横顔の描き方は奥が深くなっています。まずは基本をマスターしてから、自分だけの横顔の描き方を研究してみてくださいね!
(文・絵・協力/はらなおこ)
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